歯がボロボロになった時 All-on-4があります
2026年2月18日

All-on-4とは何か
―「未来形の総入れ歯」としてのフルアーチインプラント治療―
All-on-4(オールオンフォー)は、単なるインプラント治療の一種ではありません。総入れ歯に代わり、天然歯に匹敵する咀嚼力を取り戻す革新的な治療法です。多くの患者様にとって、総入歯を過去の物にする治療と言っても過言ではありません。
All-on-4とは、
• 少数本数のインプラントを支台として
• 片顎すべての歯を固定式で回復する
• フルアーチインプラント治療の総称的コンセプト
です。
一般に「4本」と呼ばれますが、実際には、症例により、4本ではなく6本のインプラントを支台とする場合もあります。本数の数によらず、
• 骨量
• 咬合力
• 顎の形態
• 将来的な負荷分散
を踏まえて、最適な本数で支える設計を行うことが大切です。

「未来形の総入れ歯」という位置づけ
All-on-4は、一本ずつ失った歯を回復するインプラント治療で得られる咀嚼力を、総入れ歯の発想で口腔内全体に成立させる治療法です。そのため、
• 固定式で外れない
• 咬合力が大きく回復する
• それでいて全歯インプラントよりはるかに現実的な費用で成立する
という優れた特徴があります。この意味で、All-on-4は「総入れ歯の進化形」と捉えるのが最も正確です。
全歯インプラントでは、
• 片顎8〜12本以上
• 外科回数・部品点数・技工工程が膨大
になります。一方All-on-4では、
• 支台本数を合理化
• 骨造成を最小化
• 補綴設計を最適化
することで、機能と耐久性を維持したまま、治療コストと侵襲を大きく下げることが可能になります。
All-on-4を考えている患者様に
All-on-4では、歯科医院・歯科医師の選択が治療の成否を分けます。
成否を分ける主な要素
1. CT診断と埋入角度の精密な設計
骨量・骨質・神経走行を踏まえた三次元的診断と、即時荷重を前提とした埋入角度設計が不可欠です。
2. 咬合設計(噛み合わせ)
All-on-4では、術直後から咬合力がかかります。そのため、長期的な力の分散を見据えた咬合設計が必須です。
3. 即時仮歯の精度
即時仮歯は「仮」ではありますが、治療結果に直接影響する補綴物です。適合精度・咬合・強度のいずれも妥協できません。
4. 技工士との高度な連携体制
All-on-4は、外科・補綴・技工が同時並行で進行する治療です。術前設計から仮歯・最終補綴までを見据えた連携が不可欠です。
さらに重要なポイント
■ インプラント治療の十分な症例経験
All-on-4は、通常の単独歯インプラントとは難易度・判断量・リスク管理のレベルが異なります。
• 多数のインプラント症例
• 全顎的な咬合再構成の経験
• 合併症・トラブルへの対応経験
これらを前提とした判断力が求められます。
■ 鎮静麻酔への対応
All-on-4は治療時間が長く、侵襲性も高いため、
静脈内鎮静法など、全身管理を含む麻酔体制が整っていることが重要です。
■ 精密なガイドシステムを含む設備環境
即時荷重・長いブリッジスパンという条件下では、埋入精度を高めるためのガイドシステムが有効です。三次元的な位置・角度を把握しながら手術を行える環境は、治療の再現性と安全性を高めます。
銀座並木通り歯科では
• ガイドシステム(X-Guide)を備えた専用オペ室
• インプラント治療経験豊富な歯科医師
• 即時補綴に対応する熟練したサポーティングチーム
• 院内技工室による迅速かつ精密な補綴製作
• 鎮静麻酔を含む全身管理体制
を整え、All-on-4に必要な要件を治療全体として成立させる体制を構築しています。
リスクを理解した上での治療選択が重要です
All-on-4は、
通常のインプラント治療よりも大規模で、侵襲性の高い治療です。
そのため、
• 適応の見極め
• リスクの説明
• 術後管理体制
を含め、十分な説明と管理が行える医院を選ぶことが重要です。
質価格帯が250〜450万円と幅がある理由
• 技工工程の質
• 外科計画の精密さ
• 術後メンテナンス体 制
特に、技工と設計を簡略化すると価格は下がります。ただ、これはより安価にという目的には沿っています。
• やり直しが難しい
• 失敗時のダメージが大きい
• 修正コストが高い
という特徴があります。
初期費用を抑えるために、
• 診断を簡略化
• 仮歯を軽視
• 技工工程を削減
すると、数年後に大きなトラブルを招く可能性は否定できません。
開発背景と信頼性
All-on-4は、ノーベルバイオケアにより体系化・臨床検証されてきた治療コンセプトです。
• 長期データ
• 世界的な症例数
• 標準化されたプロトコル
が存在する点は、他のフルアーチ治療との大きな違いです。
まとめ:All-on-4は「安さ」ではなく「設計」で選ぶ治療
All-on-4は、
• 魔法の治療ではありません
• しかし正しく行えば
総入れ歯では得られなかった生活の質を取り戻せる治療です大切なのは、
• 何本入れるか
• いくらかかるか
ではなく、誰が、どのような設計思想で行うかです。この記事が「銀座でAll-on-4を検討している方」にとって、
冷静で後悔のない判断材料になれば幸いです。
(山根院長記)

セラミック矯正・審美矯正を検討されている方へ
2026年2月16日

知っておいてほしい大切な考慮点
近年、「セラミック矯正」「審美矯正」と呼ばれる治療が、美容クリニック系の歯科医院を中心に広く行われるようになっています。
短期間で歯並びが整ったように見え、見た目の改善を重視する方にとって魅力的に映る治療法であることは事実です。一方で、すべての方に適した治療とは限らないこと、そして事前に理解しておくべき重要な考慮点があることも、あまり知られていません。この記事では、セラミック矯正・審美矯正を検討されている方に向けて、歯科医療の立場から冷静に解説します。
セラミック矯正・審美矯正とは
一般に「セラミック矯正」「審美矯正」と呼ばれる治療は、歯を削り、セラミックの被せ物(クラウン・ラミネートベニア等)を装着することで、見た目上の歯並び・歯の形・色を整える
という治療です。歯を動かす矯正治療とは異なり、歯そのものを削って形を変える点が最大の特徴です。
問題になりやすいのは「歯並びが大きく乱れているケース」
セラミック矯正が問題になりやすいのは、特に以下のようなケースです。
・歯並びのズレが大きい
・歯の傾き・捻転が強い
・噛み合わせに問題がある
このような場合、見た目を揃えるために
・削る量が多くなる
・神経(歯髄)を取る必要が生じる
・歯の寿命が短くなる
といったリスクが高まります。
抜髄(神経を取る)ことで起こり得る影響
歯の神経を取る治療(抜髄)は、必要な場合には適切な治療ですが、避けられるなら避けたい処置でもあります。抜髄後の歯は、
・歯がもろくなる
・将来的に割れやすくなる・
・再治療が必要になるリスクが高まる
といった特徴があります。セラミック矯正を目的として抜髄を行う場合、長期的な歯の健康とのバランスを慎重に考える必要があります。
虫歯・歯周病リスクが高まることも
削る量が多い治療では、
・被せ物の適合精度
・マージン(境目)の管理
・清掃性
が非常に重要になります。条件が揃わない場合、
・二次虫歯
・歯肉の炎症
・歯周病の進行
といった問題が生じやすくなります。「見た目がきれいになったのに、数年後にトラブルが起きた」というケースは、残念ながら珍しくありません。
歯並びを本当に治すなら、第一選択は矯正治療
歯並びそのものに問題がある場合、時間がかかっても、歯を削らずに歯を動かす矯正治療が第一選択肢であるべきケースは少なくありません。矯正治療には、
・歯の寿命を守れる
・噛み合わせを改善できる
・将来的なトラブルを減らせる
という大きな利点があります。もちろん、すべての方が矯正治療を選ぶ必要はありません。年齢・期間・費用・ご希望によって、セラミック治療が適している場合もあります。大切なのは、十分な説明を受けた上で、選択肢を比較することです。
セラミック矯正・審美矯正を選ぶ前に確認してほしいこと
検討される際には、以下の点を必ず確認してください。
・どれくらい歯を削るのか
・神経を取る可能性はあるのか
・将来的な再治療のリスク
・矯正治療との比較説明を受けたか
「早くきれいにする」ことと「長く健康に使う」ことは、必ずしも一致しません。
銀座並木通り歯科の考え方
当院では、
・歯をできるだけ削らない
・歯の寿命を重視する
・見た目と機能の両立
を治療方針の軸としています。セラミック治療が適しているケースもあれば、矯正治療をおすすめするケースもあります。一人ひとりの歯の状態を診断し、メリットだけでなくリスクも含めてご説明した上で治療方法をご提案しています。
まとめ:知った上で選ぶことが、後悔しない治療につながります
セラミック矯正・審美矯正は、決して「悪い治療」ではありません。
しかし、適応を誤ると取り返しのつかない結果になることもある治療です。
大切なのは、
・短期的な見た目だけで判断しない
・長期的な歯の健康を考える
・複数の選択肢を理解する
こと。この記事が、治療を検討されている方にとって、冷静な判断材料の一つになれば幸いです。
(藤吉先生記)

自分でできるホワイトニング?
2025年1月4日
「使えば白い歯になる」という歯磨き剤が宣伝されています。
中にはSNSで人気のあるいわゆるインフルエンサーの体験談で「見違えるように白くなりました」といったコメントがついているものもあります。
ホワイトニングは歯科医院でも行っていますが、費用は万単位でかかりますし、歯科医院に通うという面倒くささもあるので、できれば市販のもので済ませたいという人もいるでしょう。
それでは市販の歯磨き剤と歯科医院のホワイトニングは、何か違いがあるのでしょうか。

オフィスホワイトニングは漂白剤を塗った歯に光を照射して薬剤を活性化する
市販のホワイトニング剤で歯は白くならない
結論を先に言うと、市販のホワイトニング剤で歯は白くなりません。できるのは歯を白くするのではなく、汚れを取ることだけです。
もちろん、汚れを取れば歯本来の色に近づくわけですから、ホワイトニングと言えないことはありませんが、「輝くような白さ」にするには、元々の色が輝くように白い場合に限られてしまいます。
葉が白さを失う理由と白さを取り戻す方法
そもそも歯が白さを失ってしまう理由はいくつかあります。
一つは加齢です。歯の表面はエナメル質という非常に硬い物質で覆われていますが、エナメル質は白いだけでなく半透明です。そのため、エナメル質の下の象牙質の色が透けて見えます。
象牙質には血管や神経のある歯髄と呼ばれる部分がありますが、この歯髄の部分は年齢を重ねると黄色味を帯びてきます。その色がエナメル質を通して見えるので、白さが失われているように見えてしまうのです。
そして、もう一つの原因は、なんらかの理由で歯が着色されることです。
歯の着色はコーヒーやカレー、ワインといった色のある食べ物や飲み物の摂取が原因であるケースが多く、この着色は表面に汚れとして付くものと、歯自体に色が付くものに分けられます。
ホワイトニングを行うという歯磨き剤ができるのは、歯の表面についた汚れを取ることだけです。そして、その汚れも、硬くこびりついてしまったものだと、歯ブラシと歯磨き剤だけでは簡単には落ちません。
歯科医院では、歯科衛生士が機械を用いて行うPMTC(機械的歯面清掃)と呼ばれるクリーニングでこういった汚れを落とすことができます。
歯磨きで無理に歯面の汚れを取ろうとするとかえって歯面を傷つけてしまい、汚れが付きやすくなる場合もあります。また、タバコのヤニなどの長い時間をかけてこびりついた汚れを取り除くのは容易なことではありません。
しかし、歯に染み込んでしまった汚れは、PMTCでも除去は不可能で、漂白しなければ白くなりません。歯科医院で行うホワイトニングは過酸化水素水、過酸化尿素といった漂白作用のある薬剤を使い、さらに光を照射して薬剤の効能を高めます。
自宅で行うホームホワイトニングでは光照射は使わないので、歯科医院でのホワイトニングのような効果は望めません。
ちなみに、加齢による黄ばみは漂白も効果がないため、歯科医院のホワイトニングでは、エナメル質の表面を乱反射するように変化させることで内部の象牙質の色が透き通って見えないようにします。

歯の着色には色々な原因がある
ホワイトニングと口腔ケアは区別して考えましょう
漂白作用がなければ歯に染み込んだ色は消えませんが、日本では漂白作用のある薬剤を含む歯磨き剤は認可されていません。
歯磨きは歯垢を落として口腔内環境の改善はできますが、歯を白くするという点に至っては、漂白はもちろん汚れを取ることに関しても限定的です。
つまり、市販の歯磨き剤でホワイトニングを行うのは、事実上できないと言って良いでしょう。
それでもテレビCMやネットでホワイトニングを売り物にする商品が多数宣伝されているのはなぜなのか疑問でさえあります。
歯のホワイトニングと口腔ケアは区別して考えるべきでしょう。

歯磨きでは歯石や硬いステインは除去できない
銀座のホワイトニングなら銀座並木通り歯科
矯正治療の戻りはマウスピースで
2024年12月6日

インビザラインは矯正の戻りにも有効
矯正治療は長い期間と費用がかかります。
矯正装置を付ける苦痛や不便もありますし、歯磨きが難しくなるのでケアの仕方によっては虫歯リスクも高くなります。
そうして、苦労を重ねてせっかく綺麗な歯並びを手に入れても、その後のケアを怠ってしまうと歯並びが逆戻りしてしまうこともあるのです。
実は矯正治療が終わった後、さらに長い期間、保定装置(リテイナー)と呼ばれる器具を装着し続けないと、「後戻り」が起きてしまうのが普通なのです。
今回は矯正治療後の後戻り防止や、もし後戻りしてしまった場合の再矯正に「マウスピース」が有効であるという話をしていきます。
矯正治療後の「後戻り」を防ぐにはリテイナーが必要不可欠
矯正装置によって歯を押すと、押された方向の骨組織が吸収され、反対側の部分の骨が増殖します。その結果、骨の中を歯が移動することで歯列の矯正が実現するのです。
しかし、骨の中で歯の位置が変わっても歯の周りの歯周組織は不安定で、元に戻そうとする力が働きます。
リテイナーはこの戻りを止めるための役割を果たすものです。リテイナーは矯正装置ほど強い力で歯を動かそうとはしないので、苦痛も小さく取り外しも可能です。
とは言え、歯に装置をつけることには変わりがないので、やはり装着に違和感を持つ人はいます。
そのため、リテイナーは自分で自由に取り外しができるために、かえって付けるのが面倒になってしまい、外したままにされてしまうこともしばしばあります。
しかし、リテイナーをしっかりと装着しないと矯正の後戻りで、せっかくきれいになった歯並びが元の木阿弥になってしまう恐れが出てきてしまうのです。
すべて元通りに戻ってしまうとまでは言わなくても、きれいな歯並びが失われてしまうと、もはやリテイナーで回復させることはできず、再び矯正を行わなければならなくなります。

リテイナーは矯正の後戻りを防ぐために必要
マウスピースはリテイナーとして有効
マウスピースは矯正装置として使うイメージが強いですが、リテイナーとしても使用可能です。
矯正が終わった後、目立つ金属製のリテイナーを付けることに抵抗を感じる人は多く、その点がリテイナーの装着を怠ってしまう人が多い原因の一つとなっています。
しかし、透明なマウスピースであれば目立たないので、審美的にも気になる部分が少なく、比較的リテイナー装着の継続にもつながりやすいです。
再矯正ならマウスピース矯正も非常に有効
矯正後に歯並びが後戻りしてしまい、再矯正を行わなければいけなくなった場合、マウスピースでの矯正が非常に有効です。
特に、インビザラインのマウスピース矯正では、「IGO(インビザラインGo)」という3〜6カ月の短期で矯正治療を行える方法があります。
IGO(インビザラインGo)は全ての矯正治療で使用できるとは限らないのですが、後戻りのために必要となった再矯正治療には適用できる可能性が高いです。
と言うのも、インビザラインGoが適用できない代表的なケースは、顎のスペースが不足しているために「便宜抜歯」というスペース確保のための抜歯を行わなければいけない場合です。
つまり、いったん矯正治療が終了していれば、再矯正で改めて抜歯を行う必要性はないケースがほとんどのため、インビザラインGoの矯正と相性が良いのです。
マウスピース矯正はワイヤ矯正と比べて、痛みが少なく、器具も目立ちません。歯を磨く時に取り外しができるので、虫歯リスクが高くなることもありませんし、毎月のメンテナンスで行うワイヤ調整と比べて治療時間もずっと短くなります。
さらに、マウスピース矯正は歯並びの後戻りだけでなく、やむを得ない理由で矯正治療を中断してしまった場合にも有効です。
途中中断のケースだと、インビザラインGoを使って矯正を短期間で終了できるかどうかは状況によって異なるものの、通常のインビザラインであればほとんどの場合で対応できます。
インビザラインGoは期間も費用も一般の矯正より手軽な方法です。
せっかくの矯正治療が後戻りしてしまった場合でも、「何もかもやり直しか」とがっかりせずに、一度マウスピースでの再矯正を検討してはいかがでしょうか。

インビザラインは矯正治療の結果をモニターで見せる機能も提供しています
銀座の矯正歯科は銀座並木通り歯科
知覚過敏を治すには
2024年11月2日
知覚過敏とは、冷たいものや熱いものを食べるときや、歯ブラシの毛先が触ったりしたときに一時的に歯に痛みが出る現象です。
知覚過敏は一過性でいつまでも痛いということはありませんし、何の刺激もなく痛むということもありません。
(逆に、刺激がなくても痛む、痛みが治らずずっと続く場合は、虫歯や歯の根の炎症といった別の原因・疾患があると考えられます。)
しかし、知覚過敏はデメリットも多いので、悩んでいる方は治療をすることをおすすめします。

知覚過敏があると熱いもの、冷たいものが歯に染みる
そもそも知覚過敏とは
知覚過敏は歯の中の歯髄と呼ばれる部分にある神経が刺激されることが原因です。
歯はエナメル質という硬い物質で覆われていて、エナメル質の下には象牙質という歯髄を包む部分があります。
そして、歯髄の中には神経・血管などが収められていますが、この歯髄の中の神経が刺激を受けて痛むのです。
象牙質は、歯髄から象牙質細管という1mmの1000分の1程度の細い管が歯髄からエナメル質にかけて放射線状に無数に走っています。
象牙質細管は象牙質の維持と形成を行うためにあるのですが、同時に象牙質表面の刺激を歯髄に伝える働きもあります。
その象牙質がエナメル質に守られず直接刺激に触れると、刺激が象牙細管を通じて歯髄に届き、知覚過敏を起こしてしまうのです。
エナメル質が象牙質を守ってくれなくなる原因としては、以下が考えられます。
・歯茎が下がって歯茎に覆われていた象牙質が露出している
・強い力の歯磨きなどでエナメル質が薄くなっている
・歯ぎしりなどによってエナメル質に細いマイクロクラッキングと呼ばれるヒビが入っている

エナメル質の下には神経や血管が詰まった歯髄が象牙質の中に収められている
知覚過敏のデメリットと治療方法
知覚過敏は一過性ですが、冷たいものだけでなく熱いもの、さらに比較的わずかな刺激でも痛みが出ることがあります。
また、歯のホワイトニングをする際は過酸化水素、過酸化尿素の漂白作用で歯の色を白くしますが、ホワイトニングの薬剤で強い知覚過敏を起こすと、ホワイトニングが続けられなくなるというデメリットも生じます。
知覚過敏を改善するには、神経伝達を遮断したり、象牙細管を埋めたりする作用を持つジェル状の薬剤を塗布したり、エナメル質のマイクロクラッキングを歯の再石灰化で補修したりする方法が有効です。

ホワイトニングは漂白して歯を白くします
知覚過敏の治療は歯科医院にご相談ください
知覚過敏は嫌な症状ではあるのですが、「歯医者に行くのが怖い」というだけで我慢してしまったり、市販の歯磨き剤で治そうとしたりする人もいます。
市販品も薬効はありますが、歯科医院で治療を受けたほうが知覚過敏は比較的容易に治ります。
また、知覚過敏ではなくさらに治療の必要な疾患が見つかることもあるので、知覚過敏に悩んでいる方はぜひ歯科医院で受診してください。
歯周病に関してお気軽にご相談ください
歯が痛くなった時、考えなければいけないこと
2024年8月27日

歯が痛くなるとすぐにでも歯医者に行きたくなりますが、忙しい日常や休日、旅行中など、すぐに診察を受けられない場合もあります。そうしたときには市販の鎮痛剤を使って痛みを抑えることもあるかもしれません。しかし、歯の痛みが何日も続くと、単なる鎮痛剤で抑えるだけでは不安になることもあります。では、歯の痛みの原因とは何でしょうか?痛みの根本原因を理解することが、適切な対処につながります。
歯の痛みの主な原因
歯の痛みにはいくつかの主要な原因がありますが、特に重要な3つの原因についてご紹介します。それが、「プル(Pul)」「ペル(Per)」「P急発」です。それぞれの痛みは異なる原因によって引き起こされるため、治療法も異なります。
1. プル(Pul):虫歯による歯髄炎
「プル」とは、歯髄炎(しずいえん)のことを指します。これは虫歯が進行して歯の内部にある神経や血管が詰まった「歯髄」にまで達した場合に発生します。歯髄が炎症を起こすと、冷たい飲み物や空気に触れたときに一時的な痛みを感じることがありますが、進行するとズキズキとした持続的な痛みに発展することが多いです。この状態になると、神経を取る「抜髄(ばつずい)」が必要になることがあります。
初期の虫歯であれば、フッ素を塗布して進行を抑えたり、再石灰化によって治療できることもありますが、痛みが出てくるようになると、エナメル質の内側にある象牙質に虫歯が達していることが多く、早急な治療が必要です。虫歯が進行しすぎると、神経を保存することが難しくなり、最終的には抜髄が必要になります。
2. ペル(Per):根尖性歯周炎
「ペル」は、抜髄後の歯の根が炎症を起こすことで発生する痛みです。抜髄をした歯は神経が取り除かれているため、通常は痛みを感じることはありません。しかし、根管内の殺菌や薬の充填が不十分な場合、細菌が繁殖して歯の根が再び炎症を起こすことがあります。この状態は「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」と呼ばれ、根管の再治療が必要です。
根尖性歯周炎は、根管を十分に消毒し、薬をしっかりと充填することで治療されますが、再発することもあります。そのため、治療時には唾液や細菌の侵入を防ぐために「ラバーダム」というゴムの皮膜を使って歯を覆うことが推奨されます。もし再発を繰り返す場合、最終的には抜歯が必要になることもあります。
3. P急発:歯周病による炎症
「P急発」は、歯周病が急激に進行して歯茎が炎症を起こし、痛みを引き起こす状態です。これは歯そのものの痛みではなく、歯周組織の問題によるものです。P急発は一時的に鎮痛剤で痛みを抑えることができますが、根本的に治るわけではありません。歯周病の進行を止めるためには、歯石の除去や口腔内ケアを徹底する必要があります。
歯周病が進行すると、歯茎や骨がダメージを受け、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。したがって、P急発の痛みが一時的に収まったとしても、歯周病自体を改善するために歯科医による継続的な治療が必要です。
その他の歯の痛みの原因
歯の痛みには、知覚過敏や歯ぎしり、食いしばりなどが原因となる場合もあります。知覚過敏は、歯の象牙質が露出することで、冷たいものや熱いものに触れると痛みを感じやすくなる状態です。通常、象牙質はエナメル質に覆われているため痛みを感じることはありませんが、虫歯や歯茎の後退などで露出すると、痛みを引き起こすことがあります。
また、歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯茎に過度の力を加えるため、痛みを引き起こすことがあります。これらの問題も無視せず、早めに対処することが重要です。
歯の痛みが続く場合の対処法
歯の痛みが続く場合、鎮痛剤で一時的に痛みを抑えることができますが、根本的な問題を解決するには必ず歯科医の診察を受ける必要があります。虫歯や歯周病は放置すると進行し、治療がより複雑で時間がかかるものになります。定期的な歯科検診を受けることで、痛みが出る前に問題を発見し、早期に治療を行うことが最善の対策です。
また、歯の痛みが出る原因を理解することで、適切な対応がしやすくなります。痛みの原因によって治療法が異なるため、自己判断で放置せず、早めに専門医の診察を受けることをお勧めします。
まとめ
歯の痛みには、虫歯による歯髄炎(プル)、抜髄後の根の炎症(ペル)、歯周病の急激な進行(P急発)など、さまざまな原因があります。痛みを一時的に鎮痛剤で抑えることはできますが、根本的な解決には歯科医の診療が必要です。定期的な検診と早めの治療を心がけることで、歯の健康を維持し、痛みから解放される生活を送ることができます。