自分でできるホワイトニング?
2025年1月4日
「使えば白い歯になる」という歯磨き剤が宣伝されています。
中にはSNSで人気のあるいわゆるインフルエンサーの体験談で「見違えるように白くなりました」といったコメントがついているものもあります。
ホワイトニングは歯科医院でも行っていますが、費用は万単位でかかりますし、歯科医院に通うという面倒くささもあるので、できれば市販のもので済ませたいという人もいるでしょう。
それでは市販の歯磨き剤と歯科医院のホワイトニングは、何か違いがあるのでしょうか。
オフィスホワイトニングは漂白剤を塗った歯に光を照射して薬剤を活性化する
市販のホワイトニング剤で歯は白くならない
結論を先に言うと、市販のホワイトニング剤で歯は白くなりません。できるのは歯を白くするのではなく、汚れを取ることだけです。
もちろん、汚れを取れば歯本来の色に近づくわけですから、ホワイトニングと言えないことはありませんが、「輝くような白さ」にするには、元々の色が輝くように白い場合に限られてしまいます。
葉が白さを失う理由と白さを取り戻す方法
そもそも歯が白さを失ってしまう理由はいくつかあります。
一つは加齢です。歯の表面はエナメル質という非常に硬い物質で覆われていますが、エナメル質は白いだけでなく半透明です。そのため、エナメル質の下の象牙質の色が透けて見えます。
象牙質には血管や神経のある歯髄と呼ばれる部分がありますが、この歯髄の部分は年齢を重ねると黄色味を帯びてきます。その色がエナメル質を通して見えるので、白さが失われているように見えてしまうのです。
そして、もう一つの原因は、なんらかの理由で歯が着色されることです。
歯の着色はコーヒーやカレー、ワインといった色のある食べ物や飲み物の摂取が原因であるケースが多く、この着色は表面に汚れとして付くものと、歯自体に色が付くものに分けられます。
ホワイトニングを行うという歯磨き剤ができるのは、歯の表面についた汚れを取ることだけです。そして、その汚れも、硬くこびりついてしまったものだと、歯ブラシと歯磨き剤だけでは簡単には落ちません。
歯科医院では、歯科衛生士が機械を用いて行うPMTC(機械的歯面清掃)と呼ばれるクリーニングでこういった汚れを落とすことができます。
歯磨きで無理に歯面の汚れを取ろうとするとかえって歯面を傷つけてしまい、汚れが付きやすくなる場合もあります。また、タバコのヤニなどの長い時間をかけてこびりついた汚れを取り除くのは容易なことではありません。
しかし、歯に染み込んでしまった汚れは、PMTCでも除去は不可能で、漂白しなければ白くなりません。歯科医院で行うホワイトニングは過酸化水素水、過酸化尿素といった漂白作用のある薬剤を使い、さらに光を照射して薬剤の効能を高めます。
自宅で行うホームホワイトニングでは光照射は使わないので、歯科医院でのホワイトニングのような効果は望めません。
ちなみに、加齢による黄ばみは漂白も効果がないため、歯科医院のホワイトニングでは、エナメル質の表面を乱反射するように変化させることで内部の象牙質の色が透き通って見えないようにします。
歯の着色には色々な原因がある
ホワイトニングと口腔ケアは区別して考えましょう
漂白作用がなければ歯に染み込んだ色は消えませんが、日本では漂白作用のある薬剤を含む歯磨き剤は認可されていません。
歯磨きは歯垢を落として口腔内環境の改善はできますが、歯を白くするという点に至っては、漂白はもちろん汚れを取ることに関しても限定的です。
つまり、市販の歯磨き剤でホワイトニングを行うのは、事実上できないと言って良いでしょう。
それでもテレビCMやネットでホワイトニングを売り物にする商品が多数宣伝されているのはなぜなのか疑問でさえあります。
歯のホワイトニングと口腔ケアは区別して考えるべきでしょう。
歯磨きでは歯石や硬いステインは除去できない
銀座のホワイトニングなら銀座並木通り歯科
矯正治療の戻りはマウスピースで
2024年12月6日
インビザラインは矯正の戻りにも有効
矯正治療は長い期間と費用がかかります。
矯正装置を付ける苦痛や不便もありますし、歯磨きが難しくなるのでケアの仕方によっては虫歯リスクも高くなります。
そうして、苦労を重ねてせっかく綺麗な歯並びを手に入れても、その後のケアを怠ってしまうと歯並びが逆戻りしてしまうこともあるのです。
実は矯正治療が終わった後、さらに長い期間、保定装置(リテイナー)と呼ばれる器具を装着し続けないと、「後戻り」が起きてしまうのが普通なのです。
今回は矯正治療後の後戻り防止や、もし後戻りしてしまった場合の再矯正に「マウスピース」が有効であるという話をしていきます。
矯正治療後の「後戻り」を防ぐにはリテイナーが必要不可欠
矯正装置によって歯を押すと、押された方向の骨組織が吸収され、反対側の部分の骨が増殖します。その結果、骨の中を歯が移動することで歯列の矯正が実現するのです。
しかし、骨の中で歯の位置が変わっても歯の周りの歯周組織は不安定で、元に戻そうとする力が働きます。
リテイナーはこの戻りを止めるための役割を果たすものです。リテイナーは矯正装置ほど強い力で歯を動かそうとはしないので、苦痛も小さく取り外しも可能です。
とは言え、歯に装置をつけることには変わりがないので、やはり装着に違和感を持つ人はいます。
そのため、リテイナーは自分で自由に取り外しができるために、かえって付けるのが面倒になってしまい、外したままにされてしまうこともしばしばあります。
しかし、リテイナーをしっかりと装着しないと矯正の後戻りで、せっかくきれいになった歯並びが元の木阿弥になってしまう恐れが出てきてしまうのです。
すべて元通りに戻ってしまうとまでは言わなくても、きれいな歯並びが失われてしまうと、もはやリテイナーで回復させることはできず、再び矯正を行わなければならなくなります。
リテイナーは矯正の後戻りを防ぐために必要
マウスピースはリテイナーとして有効
マウスピースは矯正装置として使うイメージが強いですが、リテイナーとしても使用可能です。
矯正が終わった後、目立つ金属製のリテイナーを付けることに抵抗を感じる人は多く、その点がリテイナーの装着を怠ってしまう人が多い原因の一つとなっています。
しかし、透明なマウスピースであれば目立たないので、審美的にも気になる部分が少なく、比較的リテイナー装着の継続にもつながりやすいです。
再矯正ならマウスピース矯正も非常に有効
矯正後に歯並びが後戻りしてしまい、再矯正を行わなければいけなくなった場合、マウスピースでの矯正が非常に有効です。
特に、インビザラインのマウスピース矯正では、「IGO(インビザラインGo)」という3〜6カ月の短期で矯正治療を行える方法があります。
IGO(インビザラインGo)は全ての矯正治療で使用できるとは限らないのですが、後戻りのために必要となった再矯正治療には適用できる可能性が高いです。
と言うのも、インビザラインGoが適用できない代表的なケースは、顎のスペースが不足しているために「便宜抜歯」というスペース確保のための抜歯を行わなければいけない場合です。
つまり、いったん矯正治療が終了していれば、再矯正で改めて抜歯を行う必要性はないケースがほとんどのため、インビザラインGoの矯正と相性が良いのです。
マウスピース矯正はワイヤ矯正と比べて、痛みが少なく、器具も目立ちません。歯を磨く時に取り外しができるので、虫歯リスクが高くなることもありませんし、毎月のメンテナンスで行うワイヤ調整と比べて治療時間もずっと短くなります。
さらに、マウスピース矯正は歯並びの後戻りだけでなく、やむを得ない理由で矯正治療を中断してしまった場合にも有効です。
途中中断のケースだと、インビザラインGoを使って矯正を短期間で終了できるかどうかは状況によって異なるものの、通常のインビザラインであればほとんどの場合で対応できます。
インビザラインGoは期間も費用も一般の矯正より手軽な方法です。
せっかくの矯正治療が後戻りしてしまった場合でも、「何もかもやり直しか」とがっかりせずに、一度マウスピースでの再矯正を検討してはいかがでしょうか。
インビザラインは矯正治療の結果をモニターで見せる機能も提供しています
銀座の矯正歯科は銀座並木通り歯科
知覚過敏を治すには
2024年11月2日
知覚過敏とは、冷たいものや熱いものを食べるときや、歯ブラシの毛先が触ったりしたときに一時的に歯に痛みが出る現象です。
知覚過敏は一過性でいつまでも痛いということはありませんし、何の刺激もなく痛むということもありません。
(逆に、刺激がなくても痛む、痛みが治らずずっと続く場合は、虫歯や歯の根の炎症といった別の原因・疾患があると考えられます。)
しかし、知覚過敏はデメリットも多いので、悩んでいる方は治療をすることをおすすめします。
知覚過敏があると熱いもの、冷たいものが歯に染みる
そもそも知覚過敏とは
知覚過敏は歯の中の歯髄と呼ばれる部分にある神経が刺激されることが原因です。
歯はエナメル質という硬い物質で覆われていて、エナメル質の下には象牙質という歯髄を包む部分があります。
そして、歯髄の中には神経・血管などが収められていますが、この歯髄の中の神経が刺激を受けて痛むのです。
象牙質は、歯髄から象牙質細管という1mmの1000分の1程度の細い管が歯髄からエナメル質にかけて放射線状に無数に走っています。
象牙質細管は象牙質の維持と形成を行うためにあるのですが、同時に象牙質表面の刺激を歯髄に伝える働きもあります。
その象牙質がエナメル質に守られず直接刺激に触れると、刺激が象牙細管を通じて歯髄に届き、知覚過敏を起こしてしまうのです。
エナメル質が象牙質を守ってくれなくなる原因としては、以下が考えられます。
・歯茎が下がって歯茎に覆われていた象牙質が露出している
・強い力の歯磨きなどでエナメル質が薄くなっている
・歯ぎしりなどによってエナメル質に細いマイクロクラッキングと呼ばれるヒビが入っている
エナメル質の下には神経や血管が詰まった歯髄が象牙質の中に収められている
知覚過敏のデメリットと治療方法
知覚過敏は一過性ですが、冷たいものだけでなく熱いもの、さらに比較的わずかな刺激でも痛みが出ることがあります。
また、歯のホワイトニングをする際は過酸化水素、過酸化尿素の漂白作用で歯の色を白くしますが、ホワイトニングの薬剤で強い知覚過敏を起こすと、ホワイトニングが続けられなくなるというデメリットも生じます。
知覚過敏を改善するには、神経伝達を遮断したり、象牙細管を埋めたりする作用を持つジェル状の薬剤を塗布したり、エナメル質のマイクロクラッキングを歯の再石灰化で補修したりする方法が有効です。
ホワイトニングは漂白して歯を白くします
知覚過敏の治療は歯科医院にご相談ください
知覚過敏は嫌な症状ではあるのですが、「歯医者に行くのが怖い」というだけで我慢してしまったり、市販の歯磨き剤で治そうとしたりする人もいます。
市販品も薬効はありますが、歯科医院で治療を受けたほうが知覚過敏は比較的容易に治ります。
また、知覚過敏ではなくさらに治療の必要な疾患が見つかることもあるので、知覚過敏に悩んでいる方はぜひ歯科医院で受診してください。
歯周病に関してお気軽にご相談ください
歯が痛くなった時、考えなければいけないこと
2024年8月27日
歯が痛くなるとすぐにでも歯医者に行きたくなりますが、忙しい日常や休日、旅行中など、すぐに診察を受けられない場合もあります。そうしたときには市販の鎮痛剤を使って痛みを抑えることもあるかもしれません。しかし、歯の痛みが何日も続くと、単なる鎮痛剤で抑えるだけでは不安になることもあります。では、歯の痛みの原因とは何でしょうか?痛みの根本原因を理解することが、適切な対処につながります。
歯の痛みの主な原因
歯の痛みにはいくつかの主要な原因がありますが、特に重要な3つの原因についてご紹介します。それが、「プル(Pul)」「ペル(Per)」「P急発」です。それぞれの痛みは異なる原因によって引き起こされるため、治療法も異なります。
1. プル(Pul):虫歯による歯髄炎
「プル」とは、歯髄炎(しずいえん)のことを指します。これは虫歯が進行して歯の内部にある神経や血管が詰まった「歯髄」にまで達した場合に発生します。歯髄が炎症を起こすと、冷たい飲み物や空気に触れたときに一時的な痛みを感じることがありますが、進行するとズキズキとした持続的な痛みに発展することが多いです。この状態になると、神経を取る「抜髄(ばつずい)」が必要になることがあります。
初期の虫歯であれば、フッ素を塗布して進行を抑えたり、再石灰化によって治療できることもありますが、痛みが出てくるようになると、エナメル質の内側にある象牙質に虫歯が達していることが多く、早急な治療が必要です。虫歯が進行しすぎると、神経を保存することが難しくなり、最終的には抜髄が必要になります。
2. ペル(Per):根尖性歯周炎
「ペル」は、抜髄後の歯の根が炎症を起こすことで発生する痛みです。抜髄をした歯は神経が取り除かれているため、通常は痛みを感じることはありません。しかし、根管内の殺菌や薬の充填が不十分な場合、細菌が繁殖して歯の根が再び炎症を起こすことがあります。この状態は「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」と呼ばれ、根管の再治療が必要です。
根尖性歯周炎は、根管を十分に消毒し、薬をしっかりと充填することで治療されますが、再発することもあります。そのため、治療時には唾液や細菌の侵入を防ぐために「ラバーダム」というゴムの皮膜を使って歯を覆うことが推奨されます。もし再発を繰り返す場合、最終的には抜歯が必要になることもあります。
3. P急発:歯周病による炎症
「P急発」は、歯周病が急激に進行して歯茎が炎症を起こし、痛みを引き起こす状態です。これは歯そのものの痛みではなく、歯周組織の問題によるものです。P急発は一時的に鎮痛剤で痛みを抑えることができますが、根本的に治るわけではありません。歯周病の進行を止めるためには、歯石の除去や口腔内ケアを徹底する必要があります。
歯周病が進行すると、歯茎や骨がダメージを受け、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。したがって、P急発の痛みが一時的に収まったとしても、歯周病自体を改善するために歯科医による継続的な治療が必要です。
その他の歯の痛みの原因
歯の痛みには、知覚過敏や歯ぎしり、食いしばりなどが原因となる場合もあります。知覚過敏は、歯の象牙質が露出することで、冷たいものや熱いものに触れると痛みを感じやすくなる状態です。通常、象牙質はエナメル質に覆われているため痛みを感じることはありませんが、虫歯や歯茎の後退などで露出すると、痛みを引き起こすことがあります。
また、歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯茎に過度の力を加えるため、痛みを引き起こすことがあります。これらの問題も無視せず、早めに対処することが重要です。
歯の痛みが続く場合の対処法
歯の痛みが続く場合、鎮痛剤で一時的に痛みを抑えることができますが、根本的な問題を解決するには必ず歯科医の診察を受ける必要があります。虫歯や歯周病は放置すると進行し、治療がより複雑で時間がかかるものになります。定期的な歯科検診を受けることで、痛みが出る前に問題を発見し、早期に治療を行うことが最善の対策です。
また、歯の痛みが出る原因を理解することで、適切な対応がしやすくなります。痛みの原因によって治療法が異なるため、自己判断で放置せず、早めに専門医の診察を受けることをお勧めします。
まとめ
歯の痛みには、虫歯による歯髄炎(プル)、抜髄後の根の炎症(ペル)、歯周病の急激な進行(P急発)など、さまざまな原因があります。痛みを一時的に鎮痛剤で抑えることはできますが、根本的な解決には歯科医の診療が必要です。定期的な検診と早めの治療を心がけることで、歯の健康を維持し、痛みから解放される生活を送ることができます。
抜歯が必要な時って?抜歯が必要な7つのケースを解説
2024年7月30日
抜歯はできるだけ避けたいものの…
抜歯は文字通り「歯を引き抜く」治療です。
乳歯から生え変わった永久歯は、一度抜歯すると新しく生えてくることはありません。
さらに抜歯は非常に強い痛みを伴うため、麻酔が必要です。
このような理由から誰も好んで抜歯をしたいとは思わないでしょう。
しかし、時として抜歯が必要な時もあります。
どうしても抜歯しないといけない時とはどんな時なのか、一つずつご紹介していきます。
1.進行した虫歯で歯質が残っていない
虫歯の治療は初期の段階であれば、フッ素塗布を行い、唾液中の石灰分による再石灰化の働きで進行を止めることが可能です。
しかし、ある程度虫歯が進行すると、虫歯の再発を防ぐために虫歯の患部(軟化象牙質)を取り除く必要が出てきます。
そして、そういった虫歯の治療を何度か繰り返すと、歯茎から出ている歯の部分がわずかになってしまうのです。
エクストルージョン法という、歯肉の下にある歯の根を少し引き出す治療をする場合もありますが、それには限度があります。
歯質が少ししか残っていないないと、いわゆる差し歯であるクラウンを被せることもできず(正確には差し歯を支えるコアを立てられなくなります)、最終的には抜歯が必要になってしまいます。
2.歯周病が進んで歯がぐらついている
歯周病は歯肉と歯の土台となる骨(歯槽骨)を蝕みます。
歯周病の症状が進行してしまうと、土台を失った歯はぐらつくようになってしまうのです。
早めに歯周病の治療を行えばこの動揺は止められます。
とはいえ、歯周病がさらに進行すると、歯が脱落してしまったり、無理に残してしまうと噛み合わせや咀嚼障害が出て周りの歯に悪影響を与えてしまったりする恐れが出てきます。
これらのリスクを防ぐために、歯周病がある程度まで進行してしまうと、どうしても抜歯をする必要が出てくるのです。
3.歯の根が破折している
歯がひび割れたり、割れてしまったり、折れたりしてしまうことを「破折」(はせつ)といいます。
虫歯が進行して抜髄(神経を取ること)の治療を行った後は、歯の根に薬剤を詰めてしっかりと塞ぎますが、それでも治療した根の部分が再び炎症を起こす場合があります。
歯が弱ってしまうと、歯の根の治療を行ったとしても、歯の根が破折してしまう場合があるのです。
また、被せ物を装着するための土台に金属製のコアを使用すると、破折の原因となるケースもあります。
わずかな破折であれば治療が可能ですが、多くは抜歯を避けることができなくなります。
これは事故などで歯の根に破折ができた時も同様です。
4.便宜抜歯
便宜抜歯とは矯正治療の過程で歯を抜くことです。
虫歯でも歯周病でもないのに歯を抜くのに抵抗感を持つ人は多いのですが、矯正で歯をきれいに並べ直そうとしても並べ直すスペースがなければできません。
歯を少し削って抜歯を避けられる場合もありますが、無理をして抜歯を避けると矯正をしてもきれいな歯並びにならない可能性が出てきてしまいます。
5.親知らず
成人の歯28本に数えられない親知らずは、ほとんどの人の場合、横向きに生えたり、埋没したりしており、歯としてきちんと機能していません。
また、親知らずは奥にあり、歯磨きが難しく、周辺の歯を巻き込んで虫歯を起こしたり、炎症を起こしたりしがちです。
また、治療をするにも手間がかかります。
このため、無理をして残すのではなく、虫歯や炎症を起こした場合は抜歯を勧めることが多いです。
6.転位歯、過剰歯
転位歯とは、歯の位置が正常より舌側や頬側にずれているものを指します。
また、過剰歯とは、親知らず以外で28本の通常の歯以外に余分に生えている歯のことです。
どちらも噛み合わせや咀嚼に悪影響を与えるため、抜歯が必要となるケースが多いです。
7.戦略的抜歯
戦略的抜歯とは、主として将来のインプラントのために、状態の良くない歯を抜歯することを指します。
状態が悪い歯があると、土台となる歯槽骨を失わせてしまうので、インプラント治療が難しくなるのを防ぐために行います。
口腔内全体の治療のために、あえて抜歯を行う行為を「戦略的抜歯」と呼ぶ場合があるのです。
歯周病が進行し歯の動揺が大きいと抜歯しなければいけない場合もあります
抜歯はから名ずしも「悪いこと」ではありません
天然歯をできるだけ残す努力は必要です。
しかし、どんな時でも抜歯が悪いというわけではなく、時として抜歯がむしろより良い選択になるケースもあるのです。
抜歯を行う時は、抜歯の理由を聞くだけでなく、将来の口腔内の状態についてや、抜歯をした後に咀嚼力をどう補えば良いかといった内容を、歯科医とよく話し合いましょう。
虫歯や歯周病で歯がボロボロになってしまった方へ