矯正はどうやって歯を動かすのか【ワイヤ矯正・マウスピース矯正の方法】
2023年08月10日
矯正治療は歯並びの悪さを治すための治療
歯並びが悪いと見た目が良くないだけでなく、歯にプラークが付着しやすく、虫歯や歯周病になりやすくなります。
歯科治療費が日本と比べ高い欧米で矯正治療が日本より普及しているのは、美的な理由だけではありません。
将来歯科治療が必要になるリスクをできるだけ避けようとしているという大きな理由があるのです。
とはいえ、歯の矯正の需要さがわかっても、「なんだか怖い」と漠然とした不安で矯正治療をためらっている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、歯の矯正は具体的にどういった方法で行うのか、歯を移動させる原理などを簡単にご紹介していきます。
歯の移動のさせ方はワイヤ矯正・マウスピース矯正とも同じ
矯正治療には、歯にワイヤを(ブラケット)を装着する「ワイヤ(ブラケット)矯正」と、マウスピースを装着する「マウスピース矯正」の2種類の方法があります。
ワイヤは毎月の調整で少しずつワイヤの形を変えて歯を移動させるのに対し、マウスピース矯正はマウスピースを2週間程度ごとに交換して、目標とする歯並びに近づけていきます。
ワイヤ矯正もマウスピース矯正も歯に圧迫を加えることで少しずつ歯を移動させるのです。
ではどうしてこれらの方法で歯が移動するのでしょうか。
歯は歯茎の中で歯根膜と呼ばれる膜に覆われたうえで、骨(歯槽骨)に固定されています。
その歯が一定方向の力で押されると、押されている方の歯槽骨が吸収され、反対側の歯槽骨では逆に骨の造成が行われます。
つまり、矯正治療は歯の圧迫による骨の吸収と造成により、歯が移動することを利用しているのです。
矯正に年齢制限はありません
骨の吸収と造成は、新陳代謝が行われている限り年齢に関係なく起こります。
矯正治療には年齢制限があるとお考えの方もいますが、新陳代謝は年を取っても活発さが衰えることはあっても、なくなることはありません。
実際、50~60歳で矯正治療を始める例も少なくないのです。
年齢が理由で「今さら矯正を始めても…」と迷っているという方は、ご安心ください。
矯正治療後は逆戻りさせないようにリテイナーの装着が必須
ところが、せっかく矯正治療をしても、後戻りが起きることがあります。
その理由は歯と歯槽骨の間にある歯根膜が骨ではなく腱のような組織だからです。
歯が骨の吸収・造成で移動すると、移動する方向の横歯根膜は移動する方向に引っ張られる形になります。
そのため、移動した歯には戻ろうとする力が加わるのです。
こういった歯の逆戻りの移動を防ぐためには、リテイナーと呼ばれる下の画像のような装置を矯正終了後のしばらくの期間で装着する必要があります。
これがリテイナーです
リテイナーにはマウスピースタイプのものもあります
ワイヤ矯正、マウスピース矯正どちらも歯を動かす基本は同じで、後戻り対策にリテイナー装着を行う必要があることにも変わりません。
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