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歯科治療を中断するとどうなる?通院をやめることで生じるリスク

2022年12月15日


歯科治療は途中で止めると後悔することも多いです

 

「歯医者は歯が痛くなったら行くところ」とお考えの方は多いのですが、虫歯は初期の段階では痛みません。

 

この段階で治療すれば、痛くないまま治療は終わりますし、場合によってはまったく削ることなく再石灰化(唾液中の石灰分が虫歯を修復する作用)によって虫歯の進行を食い止めることもできます。

 

また、抜髄といって神経を取る治療を行うと痛みはなくなりますが、実は歯の治療はそれからです。

 

「歯医者は痛くなったら行くところ」という認識だと、「抜髄で痛くなくなったから通院をやめる」という方もいます。

 

しかし、歯は痛くなくなっても治療が完了したわけではありません。

 

今回は、虫歯や歯周病の治療を途中で止めてしまうとどうなるのか、どのようなデメリットが生まれる可能性があるのかを解説していきます。

 

 

再治療の可能性が高まり、手間・時間・治療費がかかる

 

抜髄した歯には水で硬化する仮封材などを封入しますが、仮封材は歯と比べれば柔らかく、取れてしまう場合があります。

 

そのため、治療途中段階の処置で神経を取ったあとの根管に薬剤を入れ、最終的にはセラミック、金属などでできた技工物を詰めたり被せたりするのです。

 

こういった治療をする前に治療を止めてしまうと、根管の中に細菌が入り込んでさらに悪化してしまい、また歯医者に行かざるをえなくなります。

 

しかし、根管の再治療は最初に抜髄した時よりも難しいため、通院回数が余分にかかってしまいます。

 

当然ですがその分治療費もかかるので、良いことは何もありません。

 

 

二次虫歯になりやすく抜歯のリスクが高まる

 

治療が進んで噛み合わせや見た目を守るために「仮歯」とよばれる技工物を被せることがあります。

 

仮歯は仮封材を入れただけの状態と比べると見た目も良く、噛むのにも不自由を感じないので、そのまま仮歯を長く使ってしまうなんて方もいます。

 

しかし、仮歯は材質がプラスチックのため、割れたりすり減ったりしやすく、変色もしやすい材質です。

 

そのままにしてしまうと「二次虫歯」の発生にもつながります。

 

仮歯はあくまでも「仮」のものでしかなく、本格的な被せ物に置き換える必要があるのです。

 

本格的な被せ物をする前に通院しなくなってしまうのは、大きなリスクが伴います。

 

また、治療を放置してしまい虫歯が進むと、抜歯をしなければならないこともあります。

 

歯がない状態を放置すると「挺出(ていしゅつ)」といって、反対側の歯が出てきてしまったり、両側の歯が倒れこんできてしまったりする恐れも出てくるでしょう。

 

抜歯した歯がたとえ一本でも、残りの健康な歯全体に負荷がかかることで悪影響を受けます。

 

抜けた歯を放置することで咀嚼力や歯並びが、悪くなってしまう可能性があるので要注意ですよ。

 

 

気づかないうちに歯周病がどんどん進行してしまう

 

また、歯周病はどうでしょう。

 

歯周病は「サイレントキラー」と言われるように、痛みが出ないまま進行する病気です。

 

歯磨きを励行し、歯石を定期的に取るといった予防を続ける必要があります。

 

「歯医者は痛くなったら行くところ」と思って歯科医院に行かずにこういった予防を怠っていると、抜歯にいたるような深刻な状態まで歯周病が進行することもあります。

 

そこまでいかなくても、検診などで歯周病を指摘されて歯科医院で歯石を取ると、歯周病で炎症を起こした敏感な歯茎が痛んで、かなり出血をするといったケースもあるのです。

 

 

痛みを軽減する治療もあります!治療の中断は絶対にやめましょう

 

歯周病の検査はポケット(歯と歯茎の間の歯肉溝と呼ばれる部分)の深さを細い棒状の器具で調べますが、歯周病で歯肉炎を起こしているとチクチクと痛みます。

 

そのため、定期的にポケット検査をされるのが嫌と思う方もいるでしょう。
(歯医者に行って痛い目に遭ってしまうと、歯周病の治療を止めてしまいたくなってしまっても不思議ではありませんね……。)

 

歯周病は検査だけでも痛みが出ることもある

 

しかし、歯科医院に通いながら歯周病の治療をすれば、歯肉がどんどん引き締まってくると痛みは小さくなりますし、ポケットの深さが浅くなれば治療の励みになります。

 

将来的にもっと痛い目を見ないためには、定期的な通院が必須です。

 

特に歯周病は治療に終わりはなく、口腔内環境の維持、改善に勤め続けることが必要です。

 

ちなみに、歯石除去は麻酔を施して行うこともありますし、痛みが強い場合は麻酔をリクエストすることもできるので、安心してください。

 

虫歯も歯周病も治療の中断は必ずと言って良いほど悪い結果を招きます。

 

歯科治療は自己判断で中断なさらないようにお願いします。

 

銀座の歯医者は銀座並木通り歯科

虫歯の治療は要注意!歯を残せる治療と残せない治療があります

2022年11月30日

歯を残すには治療法がキー
歯を残すには治療法がキーです
 
「8020運動」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
 
「8020」とは「80歳で20本以上の歯を残そう」という意味です。
 
成人の歯は親知らずの4本を除くと28本ですから、8本以上歯を失わずに80歳を迎えようというスローガンです。
 
歯をできるだけ残すためには歯を失わないように予防し、万が一のときには適切な段階で適切な治療を受けなければいけません。
 
治療方法によっては結果的に歯を失ってしまうリスクを伴ってしまうものもあります。
 
今回は歯を残すための治療についてお話していきます。
 

そもそも日本人が歯を失う原因とその予防方法

 
日本人が歯を失う原因で一番多いのは歯周病です。
 
歯周病は歯茎の病気で虫歯ではありません。
 
しかし、虫歯と同じく歯周病を防ぐためには歯磨きの励行と定期的な歯石取りをすることが不可欠です。
 
つまり、何よりも病気にならないための予防が大切ということになります。
 
そして、歯周病以外の歯を失う原因の大半は虫歯です。
 
虫歯で歯を失わないために一番効果的なのは、虫歯にならないことです。
 
歯周病の予防と同じく歯磨きを励行することはもちろん、就寝前に糖分のあるものを食べることを避けるといった基本が大切です。
 
また、フッ素塗布も虫歯予防に有効です。
 
高濃度(1,000ppm以上)のフッ素を含有している歯磨き剤で磨くことも虫歯予防に効果があります。
 

歯を残すなら何よりも早期段階での治療が大切です

 
とは言っても、予防をしていても虫歯になることはあるでしょう。
 
しかし、痛みが出ない段階で治療を行うと、歯を削る範囲は少なくて済みます。
 
虫歯はC0からC4まで5段階に分けられますが、C0と呼ばれるごく初期の段階なら、フッ素塗布を行うことで歯の再石灰化という自己修復力を利用してまったく削ることなく虫歯の進行を止めることさえできるのです。
 
また、C0より少し進行したC1程度(この段階でも虫歯の痛みはありません)でも、レジンという合成樹脂を使ってごくわずかしか削らずに虫歯の治療が可能です。
 
なるべく削らず治療することを「MI(Minimal Intervention 最小限の浸潤))と呼びます。
 
MIの範囲で虫歯治療を行うことが歯のためには大切です。
 

痛みが出ている虫歯治療で歯を残すためには

 
虫歯の治療の仕方で歯の寿命が変わります
 
虫歯がさらに進行してC1からC2へ進んでいくと痛みが出てきます。
 
この段階で初めて歯医者に行くという人が依然として多数なのは残念ですが、ここまで来ると治療によって歯の寿命が変わってくるので、一刻も早く歯科医院に行ってください。
 
この段階での治療に覚えておきたいポイントがあります。
 
ある程度進んだ虫歯は治療後に詰め物や被せ物が必要になりますが、その時に虫歯の取り残しがあると、詰め物の中で虫歯が進行してしまうのです。
 
あるいは虫歯を取りきっていても、詰め物や被せ物の隙間から虫歯が発生してしまう場合もあります。
 
このように治療した後にできる虫歯を「二次虫歯」と呼びます。
 
二次虫歯ができる可能性を小さくするには、詰め物や被せ物が歯と強く密着していることが望ましいです。
 
その点で、セラミックとレジンは歯との化学的な結合を行ってくれる優れた材質です。
 
ちなみに歯科では、歯と詰め物や被せ物が化学的なレベルで結合していることを「接着」と呼びます。
 
これに対し、金属性の詰め物は機械的にはめ込む「合着」と呼ばれる方法で歯に固定します。
 
歯を残すためには唾液が混入しない治療が不可欠
 
虫歯の取り残しがなく、セラミックやレジンで歯をきちんと封印しても、それだけでは十分とは言えません。
 
特に痛みが出ていて、歯髄と呼ばれる神経が詰まった部分を治療する、あるいは神経を取り除く治療を行うときは、患部に唾液が混入しないことが非常に重要です。
 
唾液の混入がいけない理由は、唾液が細菌を大量に含んでいるからです。
 
唾液が患部に残ると時間が経ってから根の部分が炎症を起こす歯髄炎になる可能性がとても高くなります。
 
つまり、唾液を患部に混入させない、つまり無菌状態になるべく近い状態で治療を行うことが再治療を避けるためにもっとも大切なことなのです。
 
再治療になると歯を削るため、何度か再治療を繰り返すと歯質が失われ、被せ物もできなくなり、最後には抜歯することになってしまいます。
 
治療中に患部に唾液を混入させないためには、ラバーダムというゴムの被膜で治療個所を覆わなければいけません。
 
ラバーダム装着の治療
ラバーダムの使用は唾液の侵入を防ぐためには必須
 

虫歯治療は「ラバーダム装着の治療をしているか」がポイントの一つ

 
ところがラバーダムを歯の根の治療の時に装着する歯科医院は、日本では一部に過ぎません。
(これはラバーダム装着が手間と費用がかかることが理由です。)
 
しかし、世界標準ではラバーダムを装着して根の治療を行うのが常識になっています。
 
日本歯科医の治療技術は世界的に見て決して低くはないのですが、ラバーダム装着という点に絞ると遅れていると言わざるを得ないのが現実です。
 
歯の治療法が今後の歯の健康に大きく関わってくるので、歯科医選びの際はぜひ参考にしてください。
 
参照: 精密根管治療 マイクロスコープとラバーダムが根治を変えました

 
銀座の歯医者は銀座並木通り歯科

ワイヤー矯正とマウスピース矯正とは?これから矯正をする方へ

2022年10月13日


矯正治療にはワイヤーを装着する方法とマウスピースを装着する方法があります
 
欧米では「歯はその人の社会的階級を表している」と言われるほど、整った白い歯並びが重視されます。
 
特にアメリカでは政治家や企業リーダーで歯並びの悪い人はまず見かけないと言っても良いでしょう。
 
中流階級以上の親の間では「矯正で子供の歯並びを整えることは教育同様に親の責任」と考えるのは常識なのです。
 
歯の矯正のニーズは欧米だけではありません。
 
日本でも矯正への関心は以前よりずっと高くなっています。
 
最近は子供や若い世代の人たちだけでなく40代や50代、あるいはそれ以上の年配層からも「矯正をしたい」という希望を持っている方が増えています。
 
それほどまでにニーズの高い歯の矯正ですが、治療方法は大きく分けて2つあります。
 
今回は、「マウスピース矯正」と「ワイヤー矯正」のそれぞれの特徴をご紹介していきましょう。
 

アメリカの政治家が歯並びに気を遣うのは常識と言われています
 
 

マウスピース矯正とワイヤー矯正はそれぞれいくつか方法があります

 
矯正の方法には大きく分けて「マウスピース矯正」と「ワイヤー矯正」の2つがあると書きましたが、実はどちらもいくつもの種別に分かれています。
 
例えばワイヤー矯正では、通常は歯の表側にワイヤーを取り付けますが、裏側にワイヤーを付ける方法もあります。
 
マウスピース矯正では、マウスピースの型取りを繰り返し行う方法もあれば、コンピューターで歯の移動に合わせて予めマウスピースを何個も作る方法もあるのです。
 
矯正治療は一定方向に向かうように歯に力をかけ、押された部分の歯槽骨(歯を支える骨)が吸収され、反対側の歯槽骨が生成されることで、徐々に位置を変えることで歯を移動させます。
 
この原理はワイヤー矯正も、マウスピースも変わりません。
 
しかし、この原理に従った方法以外は全てと言って良いほど、ワイヤー矯正とマウスピース矯正は違います。
 

マウスピース矯正はマウスピースの設計をコンピュータで行うタイプもあります
(写真はインビザラインのデザインをおこなっているITERO)
 

「マウスピース矯正」と「ワイヤー矯正」の大きな違いとは

 
マウスピース矯正は歯の移動に合わせてマウスピースをいくつも取り替えていくのに対し、ワイヤー矯正は歯を動かすために原則毎月ワイヤーを交換していきます。
 
ワイヤー矯正のワイヤー装置は自分では外せません。
 
そのため、ワイヤーにあたる箇所の歯を磨きにくく、虫歯や歯周病のリスクがあります。
 
一方、マウスピース矯正は食事や歯磨きの時に自分でマウスピースを外し、自分で取り付けることができます。
 
とは言え、1日20時間以上装着し続けなければ効果は十分には出ませんし、食事後に歯磨きせずにマウスピースを装着して就寝すると、虫歯リスクが高まるのは同じです。
 
自分で装置を外せるか否かはやはり大きな違いですが、虫歯リスクを避けるために歯磨きを怠らないようにしなければいけないという点では共通すると言えるでしょう。
 

希望の矯正方法ができるかどうかは歯列の状況によります

 
そもそもワイヤー矯正とマウスピース矯正の両方を行っている矯正医は多くありません。
 
矯正医は自分の専門の方法で矯正治療を行うケースが大半ですので、矯正歯科医院を選ぶ際はご注意ください。
 
また、矯正のための歯の移動量が大きくなると、マウスピース矯正よりワイヤー矯正の方が優れていると言う人もいますが、歯列の状況によっては必ずしもそうとは言えません。
 
希望の矯正方法で治療ができるかどうかは、専門医に歯列の状況を実際に見てもらわないと判断できません。
 
そのため、ワイヤー矯正、マウスピース矯正のそれぞれどちらが自分の希望する治療法にマッチするかを選び、その上で希望の矯正法で治療が可能かどうかを判断してもらう必要があります。
 

お子様の場合はそもそも一時矯正から行う選択肢もあります

 
ワイヤー矯正も、マウスピース矯正も歯を動かす治療という意味では同じです。
 
しかし、歯を動かすためにはスペースが必要で、そのために矯正のためだけに歯を抜く「便宜抜歯」を行う必要があるケースもあります。
 
便宜抜歯をできるだけ行わないようにするためには、永久歯が生え揃う前に顎を拡大する方法が一般的です。
 
これを一次矯正と言います。(永久歯に対する矯正を二次矯正と呼ぶこともあります)。
 
一次矯正は「床矯正」と呼ばれる方法を用いるのが一般的です。
 

床矯正の装着装置
 
一次矯正を行っていると、二次矯正自体が不要になることもありますし、便宜抜歯の可能性も低くなります。
 
歯並びは顎の形、歯の大きさや生える方向など様々な要素で変わります。
 
お子様のために一次矯正から矯正を考えるのは、お子様の将来を考えれば大切なことでしょう。
 
お子様の歯並びを気にするのであれば、ぜひ一時矯正から検討してみてくださいね。
 
銀座の矯正歯科は銀座並木通り歯科

食いしばりで歯周病が悪化しているかもしません

2022年9月20日

歯周病悪化1
食いしばりや歯ぎしりは歯周病を悪化させる大きな原因になります
 
歯周病の恐ろしさは広く認識されるようになってきました。
歯周病は日本人が歯を失う最大の原因であるだけでなく、最近では成人病との関係も指摘されています。
 
中でも糖尿病は歯周病の合併症とまで言われています。(そのため、歯周病はいわゆる「サイレントキラー」とも呼ばれています)
 
そして、実は歯周病は食いしばりや歯ぎしりとも密接な関係があるのです。
今回は歯周病を悪化させる要因にもなるく縛りや歯ぎしりの危険性について解説していきましょう。
 
 

予防をしていても完全に防ぐことが難しい歯周病

 
歯周病の予防の第一は口腔内ケアであることは言うまでもありません。
 
「歯磨き指導を受けて正しい歯磨きを励行する」「三カ月に一度歯科医院で歯石を除去する」といった口腔ケアに心がけることで、歯周病のリスクは大幅に減らすことは可能です。
 
また、歯周病は虫歯と同様に口腔内の細菌が引き起こす一種の感染症です。
 
細菌の巣となるプラークを除去したり、プラークを付きやすくする歯石を定期的に取ったりすることで、歯周病から歯茎を守ることができます。
 
歯周病悪化2
定期的な歯石除去は歯周病予防の基本
 
しかし、これらの歯周病予防を心がけても、歯周病を完全に防ぐことは容易ではありません。
歯周病菌はほとんどすべての人が口腔内に持っているので、完全に除菌することはできないのです。
そして、歯周病を極端に悪化させる危険性があるのが、食いしばりや歯ぎしりです。
 
 

食い縛りや歯ぎしりが歯周病を悪化させる理由と対処法

 
食べ物の咀嚼のために歯と歯を嚙み合わせる時間は一日に20分程度と、一般的に言われています。
 
これに対し、食いしばりや歯ぎしりは一晩中続くこともあります。
 
食いしばりは長時間、しかも強い力で歯と歯を噛むため、歯茎に対する影響は非常に大きいです。
 
そのため、歯周病を罹患している人に食いしばりがあると、歯周病で一番深刻な歯を支える骨(歯槽骨)の吸収が急速に進みます。
 
歯は土台となる歯槽骨を失うことで動揺し、最後には抜歯せざるを得なくなる危険性が高まってしまうのです。
 
また、就寝中でなく日常的に歯と歯を接触させる「TCH」と呼ばれる症状を持つ人もいます。
 
TCHがやっかいなのは、就寝中ではないため歯ぎしりや食いしばりの対症療法として有効なナイトガード(マウスピース)を日中装着することが難しい点です。
 
マウスピースが有効な場合もありますが、マウスピースも基本的には対症療法です。
 
マウスピースで歯ぎしりや食いしばりの影響を緩和しても、歯をこすり合わせたり、強く噛んだりする症状が完全になくなるわけではありません。
 
歯周病悪化3
マウスピースは歯ぎしりの対症療法としては有効ですが、TCHには効果が上がりにくいです
 
しかし、その解決策として登場したのが、ボツリヌス菌製剤です。
ボツリヌス菌製剤は歯を強く噛み合わせることそのものを抑制できるので、マウスピースがなくても歯茎へのダメージを小さくできます。
 
 
歯周病悪化4
ボツリヌストキシン製剤歯皺は不必要な噛み合わせそのものを止めさせる
 

歯周病リスクのために食いしばりや歯ぎしりの治療は早めに始めましょう

 
歯周病の治療は簡単ではありません。
 
日常的そして持続的な口腔ケアが何より大切です。
 
しかし、食いしばりや歯ぎしりが歯周病によって生じる歯槽骨の吸収を高めることを考えると、口腔ケアだけでは不十分と言って過言ではありません。
 
食いしばりや歯ぎしりの悪影響を認識し、適切な対処をする必要があります。
 
日頃からく縛りや歯ぎしりの症状に悩んでいる方は、ぜひこの点を気に留め、専門医に相談することをおすすめします。
 
銀座で歯周病を治療するなら銀座並木通り歯科

矯正治療は、抜歯?非抜歯?

2022年7月22日

矯正歯科抜歯
矯正治療のための抜歯には抵抗がある人が多いです
 
矯正治療は歯並びを改善するための治療です。
 
しかし、その矯正治療をしようとして「抜歯が必要です」と言われてショックを受ける人は少なくありません。
 
特に虫歯でもない健全な歯であれば抜くことに抵抗があるのは当然です。
 
本当に抜歯しないと矯正できないのかと不安になってしまう方もいるでしょう。
 
しかし、必ずしも抜歯矯正がデメリットだらけというわけではないのです。
 
この記事では、抜歯矯正・非抜歯矯正のそれぞれの特徴や適用するべきケースなどについてお話していきます。
 

非抜歯で矯正治療を行う方法

 
矯正が必要なほど歯並びが悪くなってしまう原因の多くは、すべての歯がきれいに収まる顎のスペースが十分にないことです。
 
歯が収まりきらない口内は、ベンチシートを顎、歯を人としてたとえると、3人掛けのベンチシートに無理やり4人が座っているような状態です。
 
スペースが十分にない状態で歯列を整える、つまり非抜歯の矯正を行うには、以下の施術が必要になります。
 

奥歯の方向に歯を移動させる

 
一般的には非抜歯矯正は、「親知らず以外は抜歯しない矯正治療」とされています。
親知らずは、元々抜歯されることが多く、永久歯28本の中には入りません。
 
咀嚼にもあまり役に立たないため、いわば厄介者なのです。
 
この親知らずの抜歯だけで矯正を行うことができるのは比較的良い方法です。
 
とは言え、親知らずを抜いた分だけほかの歯を奥に移動させるのは、それだけ歯の移動距離が大きくなりますし、そもそも親知らずの抜歯だけで十分なスペースが得られるとは限りません。
 

歯列を歪曲させる

 
歯列は「Uの字」のような形状をしていますが、Uの字の歪曲の度合いを強めると、非抜歯を目指せることがあります。
 
ただし、歪曲の度合いが大きいと矯正をしても歯列の戻りが起きてしまう可能性が高くなったり、場合によってはひどい出っ歯のような見た目になってしまったりといった可能性もあるので注意が必要です。
 

歯を削る

 
歯の表層はエナメル質と呼ばれる硬い物質で覆われています。
 
このエナメル層を1歯につき0~0.3mmずつ削れば、10本なら2~3mm程度のスペースを作ることができます。
必要なスペースがそれほど多くない場合は適用できる方法です。
 

「可能であれば非抜歯矯正、難しければ抜歯矯正」がおすすめ

 
インビザラインGO
IGOが適用可能なら3-6カ月で矯正治療ができます
 
非抜歯矯正は適用できるケースではすぐれた方法です。
 
叢生(そうせい)と言って歯が前後にばらばらにずれており、歯列を整えるスペースに問題がない状態であれば、インビザラインの「IGO」を適用すれば3~6カ月ほどの期間で施術が完了します。
 
費用もかなり少なくて済む可能性もあります。
 
「非抜歯矯正か抜歯矯正」かは、二つの対立する方法があるというより、可能であれば非抜歯矯正、難しければ抜歯矯正を行うといった考えの方が良いでしょう。
 

抜歯か非抜歯かで矯正治療の良し悪しを判断するのはNG

 

インビザラインGOが適用できないようなケースの場合だと、矯正治療は2~3年ほどの長期治療になります。
 
また、場合によっては一度矯正した歯列が元に戻ってしまうようなケースもあります。
 
抜歯、非抜歯の判断も含めて「セファロ」という矯正専用のレントゲン装置で得られたデータをコンピュータでシミュレーションを行い、しっかりした診断と治療計画を立てることが大切です。
 
抜歯か非抜歯かで矯正治療の良し悪しを判断するのは避けるべきでしょう。
 
また、抜歯が必要になるのは、顎のスペースが足りないためです。
 
永久歯が生える前の8歳前後で顎を広げる一次矯正を行うと抜歯の可能性はずっと小さくなりますし、矯正治療自体が不必要になることもあります。
 
矯正治療は永久歯の生える前から始めるのが望ましいとも言えます。
 
小児矯正歯科
小児矯正を行うことで抜歯の可能性を小さくできます
 
銀座の矯正歯科は銀座並木通り歯科

八重歯を放置しているとデメリットが多い?しっかり治すのがおすすめ

2022年6月11日

八重歯
八重歯は可愛い?
 
八重歯とは、小さな牙のように飛び出している上の前歯のことを言います。
 
歯がきれいに揃わずバラバラの方向に生えている状態で、歯科では「叢生(そうせい)」と呼ばれるものの一種です。
 
牙のようにちょっと歯が飛び出しているわけですが、日本では「可愛い」と考える文化があり、八重歯を売りにしたアイドル歌手がいたこともありますね。
 
しかし、八重歯は小さな牙のように見えるという理由で、欧米ではあまり好まれていません。
 
少なくとも可愛いというより、歯並びが悪いと思われてしまうのです。
 
日本でも最近は八重歯を可愛いと思う人は減ってきたようです。
 

八重歯を放置することによるデメリット

 

歯周病や虫歯になりやすくなる

 
八重歯に限らず歯並びが整っていない叢生の状態だと、歯の間に食べ物がつまりやすくなります。
 
八重歯もそのままにしておくと、食物がつまることでプラーク(歯垢)が付着し、歯周病や虫歯になりやすくなるのも事実です。
 
歯並びきれい
歯並びが揃っていると歯周病や虫歯のリスクが減ります
 

噛み合わせが悪くなる

 
噛み合わせという点でも八重歯は好ましくありません。
 
例外もありますが、八重歯になるのは3番目の前歯である歯がほとんどです。
 
犬歯は歯の中で一番大きく丈夫な歯でもあります。
 
犬歯が八重歯のように飛び出していなければ、横方向に顎を滑らせた時に犬歯が誘導して奥歯に隙間ができる「犬歯誘導」が可能です。
 
これがバランスの良い噛み合わせとされています。
 
しかし、八重歯のように犬歯が飛び出してしまっているとそれは不可能です。
 

犬歯が八重歯になりやすい理由

 
犬歯が八重歯になりやすいのは、犬歯が永久歯の中で一番後に生えてくることが大きな原因。
 
つまり、犬歯が生えて来る時に、すでに顎のスペースが一杯になってしまっていると、飛び出して生えるしかなくなるのが八重歯なのです。
 
この現象は顎が小さいとより起きやすいので、きゃしゃな顔立ちの女性が八重歯になりがちです。
 
そのため、「八重歯は可愛い」と思われることにつながったのかもしれません。
 
しかし、正しい噛み合わせのためには八重歯は治した方が良いのは間違いありません。
 
八重歯を削ったり、抜いたりして解決しようと考える方もいるのですが、丈夫な犬歯は大切ですし、無理に抜いてしまうと大きく隙間ができることで両側の歯が倒れ込んでいくといった問題が起きます。
 

八重歯は矯正治療で治すのがおすすめ

 
基本的には八重歯は矯正治療で治すのがおすすめです。
 
多くの場合、八重歯の位置を動かすスペースを確保するために小臼歯を抜歯することになり(便宜抜歯と呼びます)、時間も費用も矯正必要です。
 
しかし、八重歯があると審美的評価がマイナスになってしまったり、何より虫歯や歯周病のリスクを下げたり、正しい噛み合わせを得たりすることにもつながるので、八重歯は治した方が良いでしょう。
 
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歯周病対策に歯石を取るべき理由

2022年5月6日


歯石除去が歯周病予防の第一歩です
 
歯石は歯周病を引き起こす原因です。
 
そもそも歯石は、口の中に残った食べ物が口腔内の細菌で分解されてできたプラーク(歯垢)が唾液の中の石灰分を吸収して石のように硬くなったもの。
(唾液の中には石灰分が含まれていて、「再石灰化」という現象で虫歯を進行するのを防ぐ働きがあるのですが、逆に歯石ができる原因にもなります。)
 
歯石は硬く歯と歯の間にこびりついてしまい、歯磨きで取り除くことはできません。
 
どんなに上手に歯磨きをしても完全にプラークを取り除くことは難しいので、歯石を取るためには定期的に歯科医院に通って除去が必要なのです。
 

歯石放置で起こる歯周病の危険性とは?

 
歯周病はプラークで繁殖した細菌が歯茎、そして歯を支える歯槽骨と呼ばれる骨の土台を侵す危険な感染症です。
(細菌が原因という意味で感染症と表現しましたが、風邪ように人から人に簡単にうつるわけではありません)
 
実は日本人の歯を失う最大の原因は虫歯ではなく、この歯周病なのです。
 
それだけではありません。
 
歯周病になると歯茎から出血するのですが、出血は細菌や細菌が作る毒素を全身に行き渡らせてしまうということにもなります。
 
現在では様々な病気や疾患と歯周病の関係がわかってきています。
 
たとえば、糖尿病は歯周病の合併症とまで言われているのです。
 

歯周病の程度はポケット(歯と歯の間の溝)の深さの測定で調べます
 

「歯石除去は不要」を主張する説があるものの…

 
そんな恐ろしい歯周病を予防する基本は、日々の歯磨きと歯石除去のための歯科医院でのクリーニングです。
 
とは言え、歯石取りは不要と言う説を唱える歯科医がいます。
 
その理由は、「歯周病を引き起こす細菌はプラークの中にいて、石化した歯石の中にはいないから」。
 
歯周病を防ぐのは毎日の丁寧なブラッシングやフロスによるプラークコントロールで、歯石自体を取っても歯周病予防にはならないという説です。
 
確かに毎日の口腔内ケアでプラークコントロールを行うことは大事です。
 
数ヶ月に一度だけの歯石除去のクリーニングだけでは歯周病は防げません。
 
また、石化した歯石内部の細菌は閉じ込められていて、直接歯茎を侵す危険性はありません。
 
しかし、だからと言って歯石除去は歯周病予防に無関係かというと決してそのようなことはありません。
 

歯石除去をしないと起こりうるリスク

 
まず、歯石があるとその周りにプラークが付着しやすくなります。
 
顕微鏡レベルで見ると、歯石の表面はザラザラしていてプラークがとても溜まりやすい状態なのです。
 
結果的に歯石が付着している歯肉(歯茎)だと、時間が経つことで炎症を起こしやすい事実が確かめられています。
 
そのため、歯石除去も歯周病予防に必要なことは間違いありません。

日常の歯磨きももちろん大切
 

歯石除去の施術が歯周病の治療にもなる

 
歯石は歯肉の表面に付いている場合なら通常のクリーニングで取ることができますが、次第に歯と歯茎の間にも付着していくことを忘れてはいけません。
 
歯肉の中深くにこびりついた歯石は、SRP(スケーリングルートプレーニング)という徹底した歯石除去をしますし、場合によっては切開して歯石除去を行うフラップ手術で取り除く必要があります。
(フラップ手術では歯周病に侵された部分の歯肉も除去します。)
 
SRPやフラップ手術で歯石を取り除くと、歯茎が引き締まり歯周病の症状が改善するのです。
 
また、このような方法を使っての歯石除去は、歯周病治療の基本にもなります。
 

歯周病対策は毎日の歯磨きと定期的な歯石除去

 
先ほども書いたように、定期的な歯石除去だけで歯周病を防ぐことはできません。
 
毎日の口腔内ケアが大切だということは事実です。
 
しかし、それでも「歯石除去は役に立たない」というのは俗説というよりデマに近いと言って良いでしょう。
 
そのようなことを言う歯科医がいるのは残念なことと言わざるを得ません。
 
銀座で歯周病を治療するなら銀座並木通り歯科

なぜ歯が黄ばむのか?

2022年4月15日


白い歯は健康の証です
 
「白い歯は美しい」
と感じる人が大半かと思います。
 
しかし、なぜ人は白い歯を美しいと感じるのでしょうか。
 
汚れた歯や虫歯だらけの歯は健康的でない印象を与えることは間違いありません。
 
実はそれだけが理由ではないのです。
 
このページでは、歯が白いと好まれやすいもう一つの理由と、破折が懸念される場合のそれぞれの対処法をお話していきます。
 
歯が黄ばんで困っているという方は、ぜひご一読ください。
 

加齢にともなって歯は黄ばむ

 

歯の白さは若さの象徴

 
白い歯を好ましく感じてしまう理由は「健康的に見えるから」だけではありません。
 
実は歯は加齢とともに次第に黄ばんできます。
 
つまり、白い歯とは若さの象徴でもあるのです。
 
逆に言えば白い歯は美しいだけでなく、口元に若い印象を与えてくれます。
 

年を取ると象牙質の黄ばみとエナメル質の劣化が進む

 
では、どうして年齢をかさねると歯が黄ばんでくるのでしょうか。
 
そもそも、歯は表面を半透明の「エナメル質」に覆われていて、その下に「象牙質」があるという構造をしています。
 
エナメル質自体は無機質で結晶状態の物質ですが、象牙質は2割程度の有機物を含んでいます。
 
この象牙質の有機物が黄色味を帯びているため、半透明のエナメル質を通してその色が見えてしまうのです。
 
年を取ると象牙質は次第に黄みを増し、同時にエナメル質は磨耗で薄くなってきます。
 
そして、年をかさねると、歯の表面で乱反射を起こすことで内部の象牙質が透けて見えるのを防いでいたエナメル質の表面の溝も磨耗。
 
つまり、象牙質の色がそのまま見えるようになるのです。
 
このように加齢に伴って象牙質の黄色い色が外側から見えやすくなれば、老けて見える要因の一つにもなりえてしまいます。
 

食べ物による汚れで黄ばみが目立つ場合も

 

食べ物の汚れ「ステイン」でも歯は黄ばむ

 
歯の黄ばみは象牙質の色が見えてしまうからだけではなく、歯の表面自体が着色していることが原因の場合もあります。
 
その主な原因は食べ物の汚れ、通称「ステイン」の付着です。
 
ステインは歯磨きである程度落とすことができます。
 
しかし、あまり強く歯ブラシでこすってしまうと歯に細かい傷がついて、かえってステインが付きやすい状態になるのがネックです。
 
また、粒子の荒い歯磨き剤は、歯を傷つけ磨耗させる危険性があります。
 
歯の黄ばみを防ぐためには歯磨きの質もかなり重要です。
 

粒子の荒い歯磨き剤で強くブラッシングすると歯面が傷つくので注意
 

ステインは歯科医で落とすのがおすすめ

 
ステインは歯科医院でクリーニングを行うことで歯を傷つけずに除去できます。
 
歯ブラシは黄ばみを落とすためというよりは、あくまでプラークを除去することを中心に考えるべきでしょう。
 
しかし、ステインを除去してもエナメル質自体がコーヒーやワイン、カレーのような色の強い食品で着色されてしまっている場合は、十分に色を落とせないこともあります。
 
そのような着色は、ホワイトニングで漂白することで取り除くことが可能です。
 

失活歯や抗生剤の作用で黄ばむケースも

 

内部的な原因で歯も歯は黄ばむ

 
とは言え、象牙質自体が着色していると、ホワイトニングでも完全に白くするのは難しいです。
 
打撲などで象牙質の中の神経や血管を収めている歯髄が壊死してしまう「失活歯」になってしまうと、血液中のヘモグロビンが象牙質に無数に通っている象牙細管の中に入り、変色して歯が黒ずみます。
 
また、幼少期にテトラサイクリン系の抗生物質を服用すると、象牙質に色素が沈着して歯が黒ずむことがあります。
 

内部的要因の場合はホワイトニング以外の処置が有効

 
このような失活歯や抗生剤の作用といった内部的要因からの歯の着色は、通常のホワイトニングだけでは白くなりにくいのです。
 
この場合は内部から漂白剤を入れる方法を取ることもありますが、この方法は歯の破折を招くケースもあります。
 
内部からの着色の処置としては、ラミネートベニアというセラミックの薄片を貼り付けたり、クラウンで覆ったりすることで白さを取り戻すのが適切でしょう。
 

歯が黄ばむ原因はさまざま!歯科医院で的確な処置を

 
このように、歯が黄ばんで見えてしまっているケースによって、白い歯を取り戻す方法は変わってきます。
 
歯磨きを毎日入念に行うことはもちろんですが、その方法だけで対処できないケースもあるのです。
 
歯の黄ばみが気になる場合は、まずは歯科医院に相談することをおすすめします。
 
あなたのケースに合った的確な方法で白い歯を取り戻しましょう。
 
銀座でホワイトニングなら銀座並木通り歯科

「良い抜歯」と「悪い抜歯」とは?

2022年3月28日

良い抜歯と悪い抜歯1
できるだけ抜歯したくないのが本音ですよね

歯をなるべく抜きたくないと思うのは誰でも同じことでしょう。

 

特に最近は80歳まで20本の歯を残そうという「8020運動」の広がりもあって、抜歯への抵抗は昔よりずっと強くなりました。

 

1989年から推進されている8020運動が始まった当初はたった7%だった「8020達成者」は今では半数の50%を超えています。

 

これは口腔ケアの意識の高まりと、歯科医や歯科衛生士の努力の結果と言って良いでしょう。

 

そうは言っても、時にはやむを得ず抜歯をしなくてはならないときもあります。

 

抜歯をするのはやむを得ない場合が大半です

 

そもそも抜歯をしなくてはいけないケースとはどんなときなのでしょうか。

 

日本人が抜歯をしている主な理由は?

 

日本人が歯を失う一番の原因は、全体の4割を占める歯周病です。

次は3割の虫歯。

 

そして、残りは事故による破折や親知らずの抜歯などによるものです。

 

抜歯を防ぐために口腔内ケアが重要と言われている理由は、歯周病や虫歯の予防になるからです。

 

特に歯周病の予防には、毎日の歯磨きと定期的に歯石を除去するケアがとても大切。

 

抜歯を防ぎたいのであれば、日々のケアを怠らないようにしましょう。

 

歯科医もできるだけ抜歯を避けたいと考えています

 

世の中には「歯医者は面倒な治療をせず、金儲けばかり考えている」と主張する「歯科の駆け込み寺」を売り物にした本さえあります。

 

しかし、8020運動達成者が増加している点からも、それは事実に反しています。

 

実際はほとんどの歯医者は歯を抜かずに治療を進めることをもっとも重視しているのです。

 

良い抜歯と悪い抜歯2

抜歯リスクを下げるには口腔内ケアが基本

 

咀嚼力や他の歯へ悪影響を及ぼす歯の抜歯は「必要な抜歯」

 

では、そんな事情がありながらも、どういう時にやむを得ずの抜歯が必要になるのでしょうか。

 

親知らずも抜歯を勧められるケースが多い

 

親知らずはまっすぐに生えていれば食べ物を咀嚼する際に役立つ場合もありますが、横向きに生えていると咀嚼に貢献できません。

 

さらに、奥にあるため手入れが非常に難しく、抜歯を勧められるケースが多くなってしまいます。

 

親知らずは永久歯の28本の中には数えられておらず、抜歯することが一般的です。

 

「良い抜歯」=「必要な抜歯」とも言えます

 

親知らず以外の歯で抜歯を勧められる例は、歯周病で動揺が強い、虫歯で再治療を繰り返すうちに歯質がわずかしか残っていない場合です。

 

歯周病での歯の動揺は粘り強く治療を続けることで治まってくるケースがあるものの、一定以上の動揺があった際は抜歯以外に選択肢はなくなります。

 

このような歯は噛む力がなくなってしまっているので、抜歯してインプラント、ブリッジ、入れ歯といった人工歯の装着が必要になります。

 

また、後者の虫歯再治療の繰り返しで歯質が少なくなりクラウン(被せ物)を装着することが困難になっている歯も、抜歯と人工歯の装着が必要です。

 

ちなみに歯を失った時に人工歯の装着をするのは、歯を抜いたままの状態で放置すると、噛む力が弱くなるだけでなく、両側の歯が倒れこんでしまったり、反対側の歯が挺出といって抜けた部分に伸びて来たりする恐れがあるからです。

 

このようなリスクがあるので、すべての抜歯を悪いものと決めつけて避けるのは、咀嚼力のためにも他の歯への影響を考えても好ましくありません。

 

「良い抜歯」という言葉が不適当なら、「必要な抜歯」と言い換えても良いでしょう。

 

口腔内ケアを目的とした「戦略的抜歯」も「良い抜歯」の一つ

良い抜歯と悪い抜歯3
あえて抜歯をして全顎的なケアをすることも

 

「必要な抜歯」の他にも「戦略的抜歯」と呼ばれるものもあります。

 

これは全顎的治療の一部です。

 

全顎的治療とは、一つ一つの歯ではなく口の中すべての歯の見直しを行い、インプラントや入れ歯、被せ物、そして部分的な矯正治療を行って、咀嚼力、審美性、口腔内ケアを総合的に高めようとするものです。

 

全顎的治療は歯科治療でも最も高度な治療の一つと言えるでしょう。

 

抜歯を恐れて治療をしないのはNG!まずは専門医に受診を

 

全顎的な観点からではなく、残すことができたかもしれない歯を安易に抜歯してしまうのは「悪い抜歯」と言えるかもしれません。

 

しかし、冒頭で書いたように金儲けのために「悪い抜歯」をするような歯医者は滅多にいません。

 

少なくともほとんどの抜歯は必要があって行う「良い抜歯」と言っても過言ではないでしょう。

 

「良い抜歯」か「悪い抜歯」かは、抜歯の理由や口腔内の状態次第によります。

 

いずれにせよ、抜歯をしたくないあまりに治療をおろそかにして放置してしまうのが一番危険です。

 

気になる症状が出てきたのであれば、まずはなるべく早く歯科医に相談するようにしましょう。

 

銀座の矯正歯科は銀座並木通り歯科

口腔ケアは健康な長寿のため

2022年2月18日

口腔内の健康は健康な長寿につながります

 

最近、歯を残すことが元気な老後を過ごすために大切だという認識が高まってきました。
80歳で20本の歯を残そうという「8020運動」をご存知の方は多いのではないでしょうか。
成人の歯は親知らずを除くと全部で28本なので、80歳までに8本以上の歯を失ってしまうとこの目標に達することができません。
実際、8020運動が始まった1989年頃は、80歳以上で20本の歯を残している人の割合はたった7%程度でした。
しかし2017年には51%、つまり半数以上の人が8020を達成するまでになっているのです。
現在は単に歯を残すだけではなく、より健康な口腔内ケアを目指すことが重視されるようになっています。
なぜここまで歯を残すことが重要視されているのでしょうか。
ここでは、「健康な長寿のために歯が大事な理由」を解説していきますよ。

 

歯が残っていることが健康な長寿ために必要な理由

 

歯が残っていないとことのデメリットは計り知れません

 

歯が残っている、つまりしっかりした咀嚼力を維持できていると、「噛めない」という理由で食べられないものがなくなります。

たとえば、高齢者にとって不足しがちなタンパク質の効率的な摂取源である肉類(焼肉やステーキなど)は、歯が悪いと噛み切ることが難しくなってしまいます。

自力で食べられるものが増えれば、それだけ必要な栄養が摂りやすくなるのです。

また、しっかりと咀嚼を繰り返すことは消化を良くするだけでなく、感覚機能を活性化させ脳に有効な刺激を与え、認知症の防止にもつながることがわかってきました。

さらに、食べられるものが限定されると外食が億劫になり、周囲とのコミュニケーションが乏しくなってしまいがちです。

こういった理由からも、歯が残っていないことは認知症への引き金にもなりかねないのです。

 

歯を失ってしまう大きな原因は歯周病と虫歯

 

歯を失ってしまう原因は、主として歯周病と虫歯が挙げられます。

しかし、どちらも日頃からの歯磨き、定期的な歯石除去や検診でリスクを減らすことができます。

つまり、歯を失わないためには、口腔内の健康状態を優れた状態に保つ必要があると言っても過言ではないでしょう。

ちなみに、虫歯以上に歯を失う原因となっている歯周病は、たとえ歯を失うことがなくても、糖尿病をはじめとしたさまざまな生活習慣病を引き起こします。

特に糖尿病は歯周病を悪化させる病気なため、歯周病と糖尿病は合併症とさえ言われている要注意な病気です。

また、口腔内ケアを怠ると、高齢者に多い誤嚥性肺炎のリスクも高まってしまいます。

健康のためには口腔内をきれいに保たなければいけない理由がたくさんあるのです。

 

すでに歯が残っていない場合はどうするべき?

 

すでに歯が残っていない場合もご安心ください

 

ここまで「長寿の秘訣は歯が残っていること」と説明してきましたが、それではすでに歯を失ってしまった人はどうすればよいでしょうか。

安心してください。

自分の歯(天然歯)の代わりに入れ歯やインプラントを使って咀嚼がきっちりできていれば、天然歯を残しているのと同様に認知症のリスクを減らすことができます。

ただ、インプラントは虫歯にはならないものの、インプラント周囲炎という歯周病の一種になってしまう恐れはあります。

インプラント周囲炎からインプラントのために埋入されたチタンネジを除去するのはかなり大変な施術になってしまい、一般の歯科医院ではなかなか対応ができません。

メンテナンスを怠らずに口腔内ケアを行う必要性は、天然歯よりさらに高いと言えるのです。

また、入れ歯も清潔に保つことが大切です。

ある介護施設で入れ歯の手入れが不十分で、事実上入れ歯を使えなかったために、急速に認知症が進んだと思われるケースがありました。

入れ歯の掃除や入れ歯を使い続けることは、高齢者ケアにおいては非常に重要なのです。

 

 

健康な長寿のためには口腔内のケアが絶対に欠かせません

 

口は体の内部の入り口です。

食事という行為が喜びになるのは咀嚼がきちんとできればこそでしょう。

また、口腔内ケアを十分に行うことで生活習慣病が悪化したり、誤嚥性肺炎や認知症のリスクを小さくしたりすることができます。

健康な長寿のために口腔ケアの果たす役割はとても大きいのです。

 

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