ホワイトニングで白くなる歯・ならない歯の違いって?
2021年08月13日
ホワイトニングは口元の若さにもつながります
歯のホワイトニングはかなりの効果を発揮しますが、
中にはホワイトニングをもってしても白くならない歯もあります。
その理由や、「そもそもホワイトニングでどうやって歯を白くしているの?」といった点を解説していきます。
歯科診療所と自宅で使うホワイトニング剤は成分が別物
ホワイトニングは薬剤の漂白作用により歯を白くする処置。
漂白に使われる成分は、過酸化水素あるいは過酸化尿素です。
・過酸化水素→歯科診療所で施術するオフィスホワイトニングで使用される
・過酸化尿素→自宅で行うホームホワイトニングで使用される
(※過酸化尿素は過酸化水素に変化することで漂白作用を発揮するので、ホワトニングの漂白は「過酸化水素の働きによるもの」と考えて問題ありません。)
過酸化水素も過酸化尿素も強い酸化作用により漂白をする点に変わりはありませんが、過酸化尿素は過酸化水素に変化してから漂白力を発揮するため、作用が緩慢。
したがって自宅でゆっくり時間をかけながら漂白を行うホームホワイトニングに向いています。
しっかりと短時間で効果を出すのであれば、過酸化水素の成分が含まれる薬剤で処置するのがおすすめです。
ホワイトニングで歯を白くする仕組みとは?
歯が黄ばんで見えてしまう理由
そもそも、歯が黄ばんで見えてしまう大きな原因は「象牙質の加齢」。
歯の表面はエナメル質という硬い物質で覆われており、その下には象牙質があります。
象牙質には神経や血管が通っている歯髄と呼ばれる部分があり、ここが加齢とともに次第に黄色味を帯びてきます。
上にかぶさるエナメル質は半透明なため、黄ばんでしまった象牙質が透けて歯全体が黄色に見えてしまうのです。
歯が黄色くなるのは加齢の一つの現象です。
つまり歯が白くなれば、口元が若さを取り戻すと言っても過言ではないでしょう。
ホワイトニングは「漂白」と「エナメル線の構造を変える」処置
しかし、ホワイトニングの漂白作用だけでは、象牙質が黄色くなってしまった歯を白くすることはできません。
そこでホワイトニング剤でエナメル質の構造を変化させる必要があるのです。
ホワイトニングは漂白と歯の表面で光を乱反射することで歯を白くします
エナメル質は表面が平らな細い柱の束からできており、ホワイトニング剤はこの平らな柱の表面を丸く変える力を持ちます。
そのため、光が表面で乱反射をして中の象牙質が見えなくなるのです。
ホワイトニングでも白くならない歯がある!?
テトラサイクリンによって灰色になった歯
とは言え、そのホワイトニングでも歯を白くできない歯があります。
理由はいくつか存在します。
理由① テトラサイクリンの抗生物質が作用しているから
まずは、テトラサイクリンという抗生物質を子供の頃に与えられたことで、歯の色がグレーや黄色になっている場合です。
テトラサイクリンは歯牙形成への影響があるため妊婦や授乳中の母親には禁忌とされているもの。
しかし、実際にはテトラサイクリンで歯に色が付いてしまっている例は少なくありません。
理由②人工的な被せもの、歯の状態による原因から
ホワイトニングが作用するのはあくまでも天然歯のみです。
人工的な被せ物は白くなりません。
また、被せ物に含まれる金属による黒ずみもホワイトニングで白くすることはできません。
その他、象牙質が非常に濃く黄色に変色してしまったケース、エナメル質の厚みが薄いといったケースでもホワイトニングの効果は限定的になります。
理由③歯の神経が損傷してしまっているから
外傷などで歯の神経が死んでしまうと、歯は次第に黒ずんでいきます。
この黒ずみは歯の内部の着色が原因なので、通常のホワイトニングでは効果がありません。
このような場合は、歯に穴を開けて内部にホワイトニング剤を注入するウォーキングブリーチという方法を用います。
しかし、ウィーキングブリーチは神経を失うことで弱くなった((正確には噛み合わせが強くなるなどで傷みやすくなっている)歯に穴を開けるわけですから、歯の破折が起きやすくなるデメリットも出てくるのです。
理由④ホワイトスポットが浮かんでいるから
ホワイトスポットという白い斑点が歯の表面に出ているケースは、ホワイトニングで白くできる場合と、白濁したホワイトスポットがホワイトニングでかえって目立ってしまう場合があります。
しかし、いずれにせよホワイトスポットの部分は、ホワイトニングの効果はありません(詳しくはこちら)。
まずは歯科診療所で相談してみましょう
「上記の理由にあてはまる場合はホワイトニングの効果が望めないのでは?」とあきらめるのはまだ早いです。
テトラサイクリンで黄色くなってしまった歯でも、ホワイトニングの効果がまったくないわけでなく、かなり満足感を得られることもあります。
ホワイトニングの効果が出ないケースは、ラミネートベニアや被せ物で白くする方法もあるので、まずは歯科診療所に相談してみてください。
ホワイトニングは歯科診療所で行うのがおすすめな理由
ホワイトニングはまず虫歯を治療してから行うべきです。
特に、虫歯の治療後に被せ物を装着するなら、被せ物の色に合わせてホワイトニングを行う必要も出てきます。
また、ホワイトニング剤は強力なため、場合によっては知覚過敏を起こすこともあります。
ホワイトニングは比較的手軽に白い歯を手に入れられますが、歯科医院の専門医のもとでしっかりとした施術として行うのがベストです。
ご興味がある方はぜひ当院にご相談ください。