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ホワイトニングで白くなる歯・ならない歯の違いって?

2021年8月13日

ホワイトニングは口元の若さにもつながります

歯のホワイトニングはかなりの効果を発揮しますが、
中にはホワイトニングをもってしても白くならない歯もあります。

その理由や、「そもそもホワイトニングでどうやって歯を白くしているの?」といった点を解説していきます。

歯科診療所と自宅で使うホワイトニング剤は成分が別物

ホワイトニングは薬剤の漂白作用により歯を白くする処置。
漂白に使われる成分は、過酸化水素あるいは過酸化尿素です。

・過酸化水素→歯科診療所で施術するオフィスホワイトニングで使用される

・過酸化尿素→自宅で行うホームホワイトニングで使用される

(※過酸化尿素は過酸化水素に変化することで漂白作用を発揮するので、ホワトニングの漂白は「過酸化水素の働きによるもの」と考えて問題ありません。)

過酸化水素も過酸化尿素も強い酸化作用により漂白をする点に変わりはありませんが、過酸化尿素は過酸化水素に変化してから漂白力を発揮するため、作用が緩慢。

したがって自宅でゆっくり時間をかけながら漂白を行うホームホワイトニングに向いています。

しっかりと短時間で効果を出すのであれば、過酸化水素の成分が含まれる薬剤で処置するのがおすすめです。

ホワイトニングで歯を白くする仕組みとは?

歯が黄ばんで見えてしまう理由

そもそも、歯が黄ばんで見えてしまう大きな原因は「象牙質の加齢」。

歯の表面はエナメル質という硬い物質で覆われており、その下には象牙質があります。

象牙質には神経や血管が通っている歯髄と呼ばれる部分があり、ここが加齢とともに次第に黄色味を帯びてきます。

上にかぶさるエナメル質は半透明なため、黄ばんでしまった象牙質が透けて歯全体が黄色に見えてしまうのです。

歯が黄色くなるのは加齢の一つの現象です。
つまり歯が白くなれば、口元が若さを取り戻すと言っても過言ではないでしょう。

ホワイトニングは「漂白」と「エナメル線の構造を変える」処置

しかし、ホワイトニングの漂白作用だけでは、象牙質が黄色くなってしまった歯を白くすることはできません。

そこでホワイトニング剤でエナメル質の構造を変化させる必要があるのです。

ホワイトニングは漂白と歯の表面で光を乱反射することで歯を白くします

エナメル質は表面が平らな細い柱の束からできており、ホワイトニング剤はこの平らな柱の表面を丸く変える力を持ちます。

そのため、光が表面で乱反射をして中の象牙質が見えなくなるのです。

ホワイトニングでも白くならない歯がある!?


テトラサイクリンによって灰色になった歯

 

とは言え、そのホワイトニングでも歯を白くできない歯があります。
理由はいくつか存在します。

理由① テトラサイクリンの抗生物質が作用しているから

まずは、テトラサイクリンという抗生物質を子供の頃に与えられたことで、歯の色がグレーや黄色になっている場合です。

テトラサイクリンは歯牙形成への影響があるため妊婦や授乳中の母親には禁忌とされているもの。
しかし、実際にはテトラサイクリンで歯に色が付いてしまっている例は少なくありません。

理由②人工的な被せもの、歯の状態による原因から

ホワイトニングが作用するのはあくまでも天然歯のみです。

人工的な被せ物は白くなりません。
また、被せ物に含まれる金属による黒ずみもホワイトニングで白くすることはできません。

その他、象牙質が非常に濃く黄色に変色してしまったケース、エナメル質の厚みが薄いといったケースでもホワイトニングの効果は限定的になります。

理由③歯の神経が損傷してしまっているから

外傷などで歯の神経が死んでしまうと、歯は次第に黒ずんでいきます。
この黒ずみは歯の内部の着色が原因なので、通常のホワイトニングでは効果がありません。

このような場合は、歯に穴を開けて内部にホワイトニング剤を注入するウォーキングブリーチという方法を用います。

しかし、ウィーキングブリーチは神経を失うことで弱くなった((正確には噛み合わせが強くなるなどで傷みやすくなっている)歯に穴を開けるわけですから、歯の破折が起きやすくなるデメリットも出てくるのです。

理由④ホワイトスポットが浮かんでいるから

ホワイトスポットという白い斑点が歯の表面に出ているケースは、ホワイトニングで白くできる場合と、白濁したホワイトスポットがホワイトニングでかえって目立ってしまう場合があります。

しかし、いずれにせよホワイトスポットの部分は、ホワイトニングの効果はありません(詳しくはこちら)。

まずは歯科診療所で相談してみましょう

「上記の理由にあてはまる場合はホワイトニングの効果が望めないのでは?」とあきらめるのはまだ早いです。

テトラサイクリンで黄色くなってしまった歯でも、ホワイトニングの効果がまったくないわけでなく、かなり満足感を得られることもあります。

ホワイトニングの効果が出ないケースは、ラミネートベニアや被せ物で白くする方法もあるので、まずは歯科診療所に相談してみてください。

ホワイトニングは歯科診療所で行うのがおすすめな理由

ホワイトニングはまず虫歯を治療してから行うべきです。
特に、虫歯の治療後に被せ物を装着するなら、被せ物の色に合わせてホワイトニングを行う必要も出てきます。

また、ホワイトニング剤は強力なため、場合によっては知覚過敏を起こすこともあります。

ホワイトニングは比較的手軽に白い歯を手に入れられますが、歯科医院の専門医のもとでしっかりとした施術として行うのがベストです。

ご興味がある方はぜひ当院にご相談ください。

 

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姿勢と歯の関係は?

2021年7月13日


姿勢の悪さは筋力の低下の原因になります

 

長時間机に座って仕事をしたり、無理な姿勢を続けたりしていると、猫背やお腹の突き出た悪い姿勢になりがちです。
悪い姿勢の習慣を続けていると、体の多方面に悪影響が出てきてしまうことをご存じでしょうか。
実は直接関係ないと思われがちな歯並びにも影響が出ることもあるのです。

 

悪い姿勢の体への悪影響は多方面に

 

悪い姿勢を放っておくと、徐々に体を支える筋力が弱まり、その弱った筋力を補う楽な姿勢を取ることでますます姿勢が悪くなるという悪循環に陥ってしまいます。
また、姿勢が悪いと腰痛や頸椎症、変形関節症といった問題も引き起こします。
さらに、筋力が低下して内臓が正しい位置からずれることで消化力が低下したり、血行不良で代謝が落ちて肥満の原因になったりすることも。
お腹の突き出た体は悪い姿勢の結果でもあり、原因でもあるわけです。

 

【悪い姿勢が体に及ぼす影響のまとめ】
・筋力が弱まり、良い姿勢を取りづらくなってしまう
・腰痛、頸椎症、変形関節症といった症状を引き起こす
・消化力の低下、肥満の原因にもつながる

 

良い姿勢は良い口腔環境作ります

 

そして、悪い姿勢はなんと口腔内の環境をも悪化させます。
猫背のときは口を開けた状態、すなわち口呼吸になりがちです。
口呼吸は口腔内の唾液の量を減らしてしまうため、口腔内の自然な洗浄を阻害することで虫歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。
また、口臭の原因になることもあるので、気を付けましょう。

 

【悪い姿勢が口内に及ぼす影響のまとめ】
・虫歯や歯周病につながりやすい
・口臭の原因にもなる

姿勢の悪さが歯並びにも影響する!?

 

それだけではありません。

悪い姿勢は歯の噛み合わせも狂わせます。
その結果、歯ぎしりや食いしばり、顎関節症といった症状が出ることがあるのです。
猫背だけでなく、長時間頬杖をついて座ったりするような行動もこれらの症状の原因に。
頬杖や足を組むといった姿勢のせいで歯ぎしりが起こるなんてなかなかイメージしにくいかと思いますが、実は想像以上に歯に不自然な力を加えてしまっているのです。

 

頬杖も歯ぎしりや歯並びに影響することも

 

口呼吸が慢性化してしまうと、歯を唇で抑えられないことで出っ歯になりがちですし、矯正の治療を行っても歯並びの戻りを引き起こしやすくなります。
姿勢と歯、その意外な関係にもご注意くださいね。

 

【悪い姿勢が口内に及ぼす影響のまとめ2】
・歯並びを悪化させる
・歯ぎしりや食いしばり、顎関節症になりやすくなる
→歯の健康のためにも良い姿勢を心掛けることが大切です。
 

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CGF・AFG療法による骨造成への再生医療の応用

2021年6月27日


骨造成の再生医療の活用が進んでいる

インプラントは歯を失った時、天然歯にもっとも近い咀嚼力を得られる優れた治療法です。しかし、インプラントは骨にチタンネジを埋め込み歯の土台とするために、チタンネジを支えるための土台として骨(歯槽骨)がしっかりしていて一定の厚みがある必要があります。

ところが歯周病や欠損した歯を長く放置したことなどにより十分な歯槽骨がないことがあります。そのような時、人工的に骨を造成することでインプラントを可能にするGBRという治療法があります。

GBR(Growth Bone Regeneration)は骨造成を行うのですが、その際、
・人工骨を使う
・自分の骨を使う
・血小板血漿を使う
といった方法がありました。しかし、これらは骨の形成が安定しない、行われないといったケースや自分の血液の血小板血漿を使用する場合は添加物を添加することで感染リスクがあるといった問題がありました。


血液から血小板を抽出する遠心分離機

これらの欠点を解決し骨造成の成功率や安全性を大きく高めるのが、CGF・AFG療法です。CGF・AFG療法は10cc程度の自己採血を行い、遠心分離機で血小板など成長因子や骨造成を促進する物質を濃縮して骨造成に使用します。この時、添加物は一切加えないため、従来の血小板血漿を使用する方法と違って、感染リスクから逃れることができます。

CGF(Concentrated Growth Factors)、AFG(Autologous Fibrinogen Glue)は再生医療の一つです。従来の骨造成も、結局は自分の骨を作る能力、歯肉を作る能力を活用はしているのですが、血液成分を濃縮することで、その再生力を高め、安全にしかも高い成功率を得ることができるようになったのです。

最初に書いたようにインプラントは失った歯の咀嚼力を回復するための優れた治療法です。しかし、すべての人がインプラント治療が受けられるわけではありません。再生治療の活用だけでなくガイドオペそういった多くの治療技術の進歩によりインプラントの世界は大きく広がってきています。

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すべての歯を失った時にオールオンフォー

2021年6月2日


すべての歯を失った場合には「総入れ歯」を製作するのが一般的です。総入れ歯は、健康保険で作成することもできますし、比較的短期間で治療を終えることも可能です。ただ、総入れ歯は「取り外し式」であり、口腔粘膜への吸着のみで固定することから、使用感に不満を持たれる方も少なくありません。

総入れ歯でも健康保険外ではより強力にマグネットで固定する方式もありますが、インプラントを基本にした「All-on-4(オールオンフォー)」という治療法にも選択肢として挙げられます。

オールオンフォーとは、4つのインプラントですべての人工歯を支える補綴治療です(上下合わせると8本になります)。上部構造をインプラントに固定するため、ずれたり外れたりするなどのトラブルが起こりにくくなります。人工歯根が存在することで噛み心地も向上し、天然歯に非常に近い咀嚼力を得られます。

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世界にある100以上のメーカー:インプラントは皆同じではありません

2021年5月28日


インプラントには数多くの器具も必要

インプラントはチタンネジの他にアバットメントという連結部を介して人工歯を取り付けられています。そして、そのための器具はインプラントメーカーごとに異なります。

インプラントを構成するは基本的なチタンネジ、アバットメント、人工歯という3つのパーツも、インプラントメーカーによって、人工歯根の直径や高さ、材質は違っています。また、チタンネジの表面性状はチタンネジが骨と一体化するオッセオインテグレーションという非常に重要な機能を作用し各メーカーは研究と工夫を重ねています。

当院で採用されている「ノーベルバイオケア社」のインプラントシステムは、世界で最初に開発され、安全性や治療効果で高い評価と実績を得ています。ノーベルバイオケアは世界で最もメジャーなインプラントシステムの1つです。

メーカーの提供するインプラントシステムには、CTのデータを元に、精密なシミュレーションを行うことで安全・確実なインプラントオペが可能にするソフトウェアシステムも含まれます。その結果を基に設計される「サージカルガイド」と呼ばれる装置は、埋入位置や角度、深さまで誘導されることから、手術に伴う偶発症のリスクを大幅に小さくします。

実は、世界には100種類以上のインプラントメーカーが存在していると言われています。各メーカーのインプラントシステムは材質や形状が違うだけでなく、インプラント施術に使う器具には一般的に互換性歯なく、メーカーが異なれば使用する危惧も違ってきます。また、支援ソフトウェアの充実度も大きな差があります。

インプラントは「人工臓器」の一種としてとらえられることがあるくらい、体にとって重要なものです。それだけに、インプラントシステムの選択は慎重に行うことが必要です。


ノーベルバイオケア社のシステムによるインプラントのシミュレーション

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インプラント手術ナビゲーションシステム『X-Guide®』を導入

2021年5月16日

当院では、手術の正確性や安全性のさらなる向上、患者さんの負担をできるだけ軽減するインプラント治療を目指し、インプラント手術ナビゲーションシステム『X-Guide®』を導入しました。

 

 

💡リアルタイムでのナビゲーションにより、立案した治療計画通りにインプラントを埋め込むことができ精度の高い手術を可能に

 

💡 粘膜の下、骨の中の状態まで立体的に確認しながら手術を進めることができるので、大事な神経や血管を傷つけることなく手術が可能

また、手術後ゆっくりお休みしてからご帰宅していただけるスペースもご用意しております👨🏻‍⚕️✨

 

皆様に安心して治療して頂けるよう、スタッフ一同お待ちしております✨

 

お気軽にご相談ください!!

クリーニングやメンテナンス、
むし歯治療やお痛みなど

 

お気軽にお問い合わせください!📲
各種健康保険取扱有です🦷

 

 

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インプラントの治療期間を大幅に縮める即時埋入と即時荷重

2021年5月11日

失った歯を補完するにはインプラントを装着する以外に入れ歯、ブリッジがありますが、咀嚼力や耐久性、装着感などインプラントは多くの面でもっとも優れています。ただ、インプラントは埋入したチタンネジが骨にしっかりと固着するオッセオインテグレーションというプロセスが必要です。


抜歯後すぐにインプラントを埋入するには適応性が重要

しっかりとしたオッセオインテグレーションを得るためには2−3ヶ月の期間がかかります。さらに、抜歯を行った時に、チタンネジを埋め込むのは2ヶ月程度は待つべきだというのが従来の考え方でした。インプラント治療の難点の一つは治療期間の長さがあります。

即時埋入(即日インプラントとも言います)とは何らかの理由で抜歯を行った時に、すぐにチタンネジを埋入する治療法です。抜歯とインプラント埋入の期間がなくなるので治療期間は当然短縮されますし、治療回数も減ることになります。

その上、抜歯後に起こる骨吸収を避けることができるために、インプラント埋入でしばしば必要となるGBR(骨造成の)の必要性も小さくなります。

良いことずくめのようですが、即時埋入がいつでも可能というわけではありません。まず、インプラントの埋入が抜歯後すぐに行われるため、抜歯した部分の外科的な回復を考慮に入れたインプラント体(チタンネジ)の埋入が必要です。

さらに感染症のリスクコントロール、抜歯した部位の処置もより慎重に行う必要があります。これらを行うためには抜歯個所が即時埋入に適応していることと高度な治療技術が要求されます。

抜歯後すぐにインプラント体を埋入する即時埋入と似た言葉に即時荷重があります。即時荷重とはインプラント体を装着してすぐに当日から仮歯で咀嚼できるようにする治療法です。即時荷重でない場合はインプラント体埋入後カ月を置いて上部構造(人工歯)を取り付けて咀嚼が可能になります。

即時荷重も即時埋入と同様に咀嚼の負荷を早くかけることにで回復期間を短縮させる効果を得ることができます。しかし、即時荷重も即時埋入と同じようにいくつかの条件を満たす必要があります。

まず重要なのは口腔内ケアがよく行われていることです。さらにインプラント体を埋め込む顎骨の密度が高くなくてはいけません。また、治療技術も即時埋入がそうであったように高いレベルが要求されます。

即時埋入も即時荷重も実際的なインプラント施術のオプションとなったのは最近です。数多くの成功例がすでに報告されていますが、インプラント全体に占める施術割合は高くはありません。また、繰り返しになりますが治療技術の高さ、適用条件は一般のインプラントより厳しくなります。

しかし、治療期間の長さはインプラントの弱点の一つです。日々進歩するインプラント治療の中で、即時埋入、即時荷重の重要性は高まってきています。

オッセオインテグレーションとは

オッセオインテグレーションはインプラント治療を開発したスウェーデンのブローネンマルクが1950年代に兎を使った実験で発見し、それを応用したインプラント治療を1960年代に確立しました。

インプラント施術で埋め込まれたチタンネジは組織が回復することでしっかりと骨に固定されるのは実はかなり複雑な過程です。骨とチタンネジの間は電子顕微鏡レベルで拡大するとコラーゲンの軟組織が形成されています。さらにチタンネジの表面と骨組織との間には何層かの化学的な結合があります。

インプラント施術でチタンネジを埋入した後、オッセオインテグレーションがしっかりとネジを固定するまで時間が必要です。また、オッセオインテグレーションがうまく形成されないとチタンネジが固定されずネジが脱落してしまうことがあります。この場合はインプラントは失敗になってしまいます。


オッセオインテグレーションでチタンネジと骨が分子レベルで固着する

インプラントの成功率を高めるためには様々な事に配慮する必要がありますが、チタンネジの表面を電子顕微鏡レベルでどのような状態にすればよいかはオッセオインテグレーションの成否を決める上で非常に重要です。

世界には100社とも言われるインプラント製造メーカーがありますが、チタンネジがオッセオインテグレーションに適しているかどうかはチタンネジの品質を左右します。そしてそこには電子顕微鏡レベルの材料技術の違いが関係しています。

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インプラントの中身はどうなっているか

2021年5月1日

インプラントはインプラント体(歯根部)、アバットメント(支台部)、人工歯(上部構造)の3つの部分に分かれる

インプラントは抜歯で歯を失った時に、人工の歯のを埋め込む治療です。歯は歯根といって根の部分が歯槽骨と呼ばれる土台の骨に埋まって歯を支えています。インプラントは人工の歯根をインプラント体あるいはフィクスチャーと呼ばれるもので代用します。インプラント体は種々の材質がありますが、現在はチタンおよびチタン合金が主流です。

チタンが人工歯根なる下部構造の材料に使われるのは、チタンが金属アレルギーを非常に起こしにくいということと、オッセオインテグレーションと言って骨組織と顕微鏡レベルで一体化する優れた性質を持っているかです。

インプラント体と人工歯をつなぐ支台部はアバットメントと呼ばれます。アバットメントも多くはチタンですがジルコニアという人工ダイヤモンドの材料にもなる非常に硬い材質のものも使われます。ジルコニアアバットメントは金属色ではなく白いので、歯茎が下がってアバットメントが露出しても目立ちにくいという利点があります。

人工歯の部分は一般の天然歯の上に被せる被せ物(クラウン)と基本的に同様にセラミックを主として用います。ただ、一般のセラミッククラウンが型取りをしたものに合わせて作られるのに対し、アバットメントに装着されるインプラントの部品の一つとなります。

インプラントはこのようにいくつかの部分にわかれていて、数百社もあると言われるインプラント部材のメーカー同士の互換性はありません。また、生体との親和性、特に骨組織との一体化(オッセオインテグレーション)が順調に行われるための部材の材質と表面加工などに十分に信頼のおけるメーカーのものの使用が望まれます。

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インプラント周囲炎とは

2021年4月25日

インプラント周囲炎で退縮した歯茎の(説明図)

 

インプラントで装着した人工歯は虫歯になることはありません。また、根が腫れる根尖性歯周炎になることもありません。しかし、インプラントの歯周病であるインプラント周囲炎になることはあります。そして、インプラントは天然歯よりも歯周疾患を発症しやすい傾向にあります。

 

厳密にいうと、これらの病気は「歯周病」とは少し異なります。ただ、「インプラント周囲粘膜炎」は歯周病における「歯肉炎」、「インプラント周囲炎」は「歯周炎」とほぼ同じものと考えていただいて問題はありません。重要なのは、病気の原因です。

 

天然歯とインプラントを比較すると、「歯根膜の有無」という決定的な違いが浮き彫りになってきます。歯根膜は、歯と歯槽骨との間に存在する組織で、歯にかかる力を緩和するだけではなく、歯肉や歯槽骨へと血液供給も担っているのです。それが欠損したインプラントでは、自ずと歯周組織の免疫力も低下します。

 

歯周疾患は、歯周病菌に感染することで発症する細菌感染症であることから、免疫力の低下はそのまま発症リスクの上昇へとつながるのです。さらに、インプラント周囲病変は通常の歯周病よりも進行が速いことがわかっています。その速度はおよそ1020倍程度といわれています。これもまた免疫力が低下していることに由来しています。

 

それから、インプラントは天然歯よりも歯垢や歯石などが沈着しやすい傾向にあることもまた、インプラント周囲炎などを引き起こしやすい原因といえます。もちろん、インプラントの上部構造は、セラミックなどで製作されていることから、比較的汚れが付きにくい傾向にあるのですが、インプラント周囲粘膜炎が進行し、歯肉の吸収などが目立ってくると、アバットメントやインプラント体そのものが露出します。そこに歯石等が形成されると、除去するのが極めて困難となるのです。

 

インプラントは定期的なメンテナンスが大切

 

このように、インプラントは天然歯と比べると歯周疾患にかかりやすく、進行速度も極めて速いことから、適切なケアの継続が必須といえます。インプラント周囲炎を可能な限り防ぐためにはインプラント後の定期的なメンテナンスは非常に大切です。

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インプラントの4つの誤解

2021年4月18日

 

歯を失った時に、歯の欠損の治療にはインプラントの他にブリッジ、入れ歯がありますが、ブリッジは健康な歯を削る必要があります。また、入れ歯は装着感に不満が出やすく咀嚼力も劣ります。

インプラントはそれらに比べると、天然歯にもっとも近い使用感や咀嚼力を提供しますし、耐久性も高い治療です。欧米では欠損歯の治療の第一選択はインプラントになることが多く、インプラント以外になるのは、むしろ例外的です。

ところが、日本ではインプラントが健康保険ではできず、相対的に費用が高いことと、インプラントに対するマイナスのイメージが強いため、インプラントを避ける人が少なくありません。しかし、そのようなインプラントへのマイナスイメージの多くは誤解に基づいていることが多いのです。

 

インプラントで使用する器具の準備を行う歯科医師

 

誤解:インプラントは異物

 

インプラントが人工物というのは間違いではありませんが、インプラントで使用するチタンネジは金属の中でも生体親和性が非常に高いことで知られています。また、インプラントネジはオッセオインテグレーションという骨と顕微鏡レベルで表面が一体化され、拒否反応を起こさずに結合されます。このため、インプラントは異物だから危険というのは誤解と言って過言ではありません。

ただし、チタンも非常に稀ですが金属アレルギーを起こす可能性があります。このためチタンの代わりにジルコニアというセラミックに近い性質をもつ物質で作られたインプラントネジも存在します。

 

誤解:インプラント手術は危険

 

歯茎の下には動脈や神経が張りめぐらせていてそれらを傷つけないように細心の注意が必要なのは言うまでもありません。しかし、今は術前にCT画像から3次元的に埋入部分の状態を把握することで危険は大幅に減らせます。また、CTのデータで手術方法をシミュレーションし、その通りに正確にネジの埋入を行うガイドオペという手法も開発されています。

インプラントは日々進歩しており、マスコミなどがセンセーショナルに報道するような医療事故は歯科医の技術が高ければほとんど考えられないと言って良いでしょう。

 

インプラント施術は徹底した安全管理の下で行われる

 

誤解:インプラントは治療に長期間かかる

 

インプラント治療はいくつものプロセスに分かれます。特に進行した虫歯など抜歯がやむ得ない場合は、抜歯後傷口が安定してからインプラントのチタンネジを埋入し、ネジと骨が固着されてから人工歯を装着するといった過程は、それぞれ月単位の感覚をおく必要があります。

また、チタンネジを埋め込むには一定の骨の厚みが必要で、骨量が不足している場合は骨を造成することも必要です。この機関は骨の造成量にもよりますが、1年程度要することもあります。

ところが、最近は治療技術の進歩により、即時埋入即時荷重といって、抜歯後すぐにインプラントネジを埋入する、さらにそのまま人工歯を装着することがケースにより可能になってきました。また、骨造成も短いネジを使うことで不要になる場合も多くなりました。これらすべての場合には当てはまりませんが、インプラントの治療期間を大幅に短くすることも可能になってきました。

 

誤解:インプラントは前歯に向かない

 

前歯は目立つので審美的に高いハードルがあります。特に歯と歯茎の境目の形状を自然に美しく形成するのは難しいとされています。最近のインプラント技術は審美的な改善も大きく、前歯をインプラントで天然歯とほとんど変わらない、むしろより美しく作ることも可能になってきました。

また、前歯部は、奥歯と違って歯が薄く、その分骨幅が少なくインプラント埋入位置など、少しのズレも許されないシビアなケースになります。さらに、奥歯のインプラントに比べ前歯のインプラントは咀嚼という機能的な面だけでなく、審美的な満足が高く求められます。このため、前歯のインプラントは他の部位の歯と比べて難しい症例となります。

前歯のインプラントは奥歯とは難易度が大きく違うため、前歯のインプラントを成功させるには、現在の欠損部の骨の状況、両隣在歯の歯並び、歯を失った原因、を的確に診断できる、より高い技術と多くの経験を持つ歯科医師が行う必要があります。

また、前歯を失った全てのケースでインプラントがベストチョイスとは限りません。インプラントを満足な状態で何年間にも渡って維持できるかどうかは、審美性とともに骨や歯肉の状態、さらに内科的な状態も含め総合的な判断をしなくてはいけません。インプラントでは施術そのものと同様、あるいはそれ以上に事前の診断でインプラントの適合性を判断できる力が歯科医師に求められます。

しかし、高い技術があれば、前歯もインプラントも行えます。むしろ、前歯こそ、入れ歯やブリッジのような方法より、インプラントが審美的に優れた治療法と言えます。適合性を十分に評価し、高い技術が伴えば、前歯にも積極的にインプラントが適用できるようになってきています。

 

前歯にもインプラントが適用できる

 

誤解:インプラントは中高年の治療

 

インプラントは自由診療のため治療費が高くなることもあり、中高年の治療というイメージを持たれがちです。しかし、インプラントは骨の厚み、生活習慣病により全身状態の問題などで中高年になるとむしろ適応できない場合が出てきます。

年齢が若い方で打撲などで歯を失ったよう時、最適な治療はインプラントです。ブリッジは健康な歯を削り、入れ歯は見た目や使い勝手も気になります。費用がかかると言ってもインプラントはきちんとメンテナンスを行えば一生使い続けることも可能です。若い方にこそインプラントは勧められます。

 

インプラントは若い人にも

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