知覚過敏を治すには
2024年11月2日
知覚過敏とは、冷たいものや熱いものを食べるときや、歯ブラシの毛先が触ったりしたときに一時的に歯に痛みが出る現象です。
知覚過敏は一過性でいつまでも痛いということはありませんし、何の刺激もなく痛むということもありません。
(逆に、刺激がなくても痛む、痛みが治らずずっと続く場合は、虫歯や歯の根の炎症といった別の原因・疾患があると考えられます。)
しかし、知覚過敏はデメリットも多いので、悩んでいる方は治療をすることをおすすめします。
知覚過敏があると熱いもの、冷たいものが歯に染みる
そもそも知覚過敏とは
知覚過敏は歯の中の歯髄と呼ばれる部分にある神経が刺激されることが原因です。
歯はエナメル質という硬い物質で覆われていて、エナメル質の下には象牙質という歯髄を包む部分があります。
そして、歯髄の中には神経・血管などが収められていますが、この歯髄の中の神経が刺激を受けて痛むのです。
象牙質は、歯髄から象牙質細管という1mmの1000分の1程度の細い管が歯髄からエナメル質にかけて放射線状に無数に走っています。
象牙質細管は象牙質の維持と形成を行うためにあるのですが、同時に象牙質表面の刺激を歯髄に伝える働きもあります。
その象牙質がエナメル質に守られず直接刺激に触れると、刺激が象牙細管を通じて歯髄に届き、知覚過敏を起こしてしまうのです。
エナメル質が象牙質を守ってくれなくなる原因としては、以下が考えられます。
・歯茎が下がって歯茎に覆われていた象牙質が露出している
・強い力の歯磨きなどでエナメル質が薄くなっている
・歯ぎしりなどによってエナメル質に細いマイクロクラッキングと呼ばれるヒビが入っている
エナメル質の下には神経や血管が詰まった歯髄が象牙質の中に収められている
知覚過敏のデメリットと治療方法
知覚過敏は一過性ですが、冷たいものだけでなく熱いもの、さらに比較的わずかな刺激でも痛みが出ることがあります。
また、歯のホワイトニングをする際は過酸化水素、過酸化尿素の漂白作用で歯の色を白くしますが、ホワイトニングの薬剤で強い知覚過敏を起こすと、ホワイトニングが続けられなくなるというデメリットも生じます。
知覚過敏を改善するには、神経伝達を遮断したり、象牙細管を埋めたりする作用を持つジェル状の薬剤を塗布したり、エナメル質のマイクロクラッキングを歯の再石灰化で補修したりする方法が有効です。
ホワイトニングは漂白して歯を白くします
知覚過敏の治療は歯科医院にご相談ください
知覚過敏は嫌な症状ではあるのですが、「歯医者に行くのが怖い」というだけで我慢してしまったり、市販の歯磨き剤で治そうとしたりする人もいます。
市販品も薬効はありますが、歯科医院で治療を受けたほうが知覚過敏は比較的容易に治ります。
また、知覚過敏ではなくさらに治療の必要な疾患が見つかることもあるので、知覚過敏に悩んでいる方はぜひ歯科医院で受診してください。
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