喫煙と歯の関係は密接!?喫煙で歯周病リスクは5倍に上がります
2021年12月5日
喫煙が健康に良くないことは知られています。
喫煙者は肺癌をはじめとした癌や成人病にかかりやすく平均寿命も短いこともわかっています。
また、喫煙は本人だけでなく、周りの人も巻き込んで受動喫煙の害も引き起こします。
そのため、公共の場における禁煙のスペースはますます増えて、喫煙者は肩身の狭い思いをさせられることも多くなっているでしょう。
実は喫煙は歯周病のリスクも上げるデメリットもあります。
いったいどういうことなのか、詳しく説明していきますね。
喫煙を続けることで歯周病のリスクは飛躍的に上昇します
喫煙は歯周病のリスクを大幅に増加させます
喫煙は口腔内の健康にも悪影響を及ぼします。
特に大きなリスクに結びつくのが歯周病です。
日本臨床歯周学会によれば、1日10本以上の喫煙が常態化していると、歯周病の罹患率がまったくタバコを吸わない人の5倍以上になるとされています。
喫煙が歯周病になりやすくする要因の一つは、タバコの煙に含まれる一酸化炭素です。
一酸化炭素は歯茎組織に酸素の供給を妨げ、血管を収縮させることで酸欠、栄養失調の状態を作ります。
また、身体の免疫系の働きを阻害するニコチンは、歯周病菌から歯茎を守りにくくします。
さらに、歯に付着したタバコのヤニは菌が付きやすく、ヤニからニコチン成分が染み出し続けるという事態になるのです。
実は喫煙を続けると歯周病の症状の一つの出血は少なくなり、歯茎の腫れも抑えられます。
これは一見良いことのようですが、そうとは限りません。
実際には進行している歯周病に気が付きにくくさせ、より歯周病を悪化させてしまう危険が高まるとも言えます。
このように、喫煙はあらゆる理由から、歯周病にとって良くない悪影響をもたらしてしまう行為なのです。
喫煙は糖尿病のリスクも上げてしまいます
喫煙は糖尿病のリスクも上げてしまいます
歯周病だけではありません。
喫煙は糖尿病のリスクファクターでもあります。
喫煙がインシュリンの働きを阻害することで糖尿病にかかりやすくなるのです。
糖尿病は歯周病の合併症と言われるほど歯周病との関連が深い病気。
歯周病が糖尿病のリスクを高め、さらに糖尿病が歯周病のリスクを高めるという負の相関関係があります。
喫煙のリスクはかなり深刻な事態を引き起こす可能性があると言えるでしょう。
歯周病を予防するためには一日でも早い禁煙が効果的
禁煙するなら1日も早くが望ましいです
歯周病は大変完治が難しいもので、一旦なってしまうと継続的な治療が必要です。
さらに、歯周病により一度失われた歯槽骨の回復はほとんどできません。
たとえ禁煙したとしても、その効果が表れて完全に非喫煙者のレベルまで落ち着くには10年以上かかるとも言われています。
つまり、歯周病の害から歯茎と歯を守るためには、一日でも早い禁煙が必要ということなのです。