矯正治療は、抜歯?非抜歯?
2022年07月22日
矯正治療のための抜歯には抵抗がある人が多いです
矯正治療は歯並びを改善するための治療です。
しかし、その矯正治療をしようとして「抜歯が必要です」と言われてショックを受ける人は少なくありません。
特に虫歯でもない健全な歯であれば抜くことに抵抗があるのは当然です。
本当に抜歯しないと矯正できないのかと不安になってしまう方もいるでしょう。
しかし、必ずしも抜歯矯正がデメリットだらけというわけではないのです。
この記事では、抜歯矯正・非抜歯矯正のそれぞれの特徴や適用するべきケースなどについてお話していきます。
非抜歯で矯正治療を行う方法
矯正が必要なほど歯並びが悪くなってしまう原因の多くは、すべての歯がきれいに収まる顎のスペースが十分にないことです。
歯が収まりきらない口内は、ベンチシートを顎、歯を人としてたとえると、3人掛けのベンチシートに無理やり4人が座っているような状態です。
スペースが十分にない状態で歯列を整える、つまり非抜歯の矯正を行うには、以下の施術が必要になります。
奥歯の方向に歯を移動させる
一般的には非抜歯矯正は、「親知らず以外は抜歯しない矯正治療」とされています。
親知らずは、元々抜歯されることが多く、永久歯28本の中には入りません。
咀嚼にもあまり役に立たないため、いわば厄介者なのです。
この親知らずの抜歯だけで矯正を行うことができるのは比較的良い方法です。
とは言え、親知らずを抜いた分だけほかの歯を奥に移動させるのは、それだけ歯の移動距離が大きくなりますし、そもそも親知らずの抜歯だけで十分なスペースが得られるとは限りません。
歯列を歪曲させる
歯列は「Uの字」のような形状をしていますが、Uの字の歪曲の度合いを強めると、非抜歯を目指せることがあります。
ただし、歪曲の度合いが大きいと矯正をしても歯列の戻りが起きてしまう可能性が高くなったり、場合によってはひどい出っ歯のような見た目になってしまったりといった可能性もあるので注意が必要です。
歯を削る
歯の表層はエナメル質と呼ばれる硬い物質で覆われています。
このエナメル層を1歯につき0~0.3mmずつ削れば、10本なら2~3mm程度のスペースを作ることができます。
必要なスペースがそれほど多くない場合は適用できる方法です。
「可能であれば非抜歯矯正、難しければ抜歯矯正」がおすすめ
IGOが適用可能なら3-6カ月で矯正治療ができます
非抜歯矯正は適用できるケースではすぐれた方法です。
叢生(そうせい)と言って歯が前後にばらばらにずれており、歯列を整えるスペースに問題がない状態であれば、インビザラインの「IGO」を適用すれば3~6カ月ほどの期間で施術が完了します。
費用もかなり少なくて済む可能性もあります。
「非抜歯矯正か抜歯矯正」かは、二つの対立する方法があるというより、可能であれば非抜歯矯正、難しければ抜歯矯正を行うといった考えの方が良いでしょう。
抜歯か非抜歯かで矯正治療の良し悪しを判断するのはNG
インビザラインGOが適用できないようなケースの場合だと、矯正治療は2~3年ほどの長期治療になります。
また、場合によっては一度矯正した歯列が元に戻ってしまうようなケースもあります。
抜歯、非抜歯の判断も含めて「セファロ」という矯正専用のレントゲン装置で得られたデータをコンピュータでシミュレーションを行い、しっかりした診断と治療計画を立てることが大切です。
抜歯か非抜歯かで矯正治療の良し悪しを判断するのは避けるべきでしょう。
また、抜歯が必要になるのは、顎のスペースが足りないためです。
永久歯が生える前の8歳前後で顎を広げる一次矯正を行うと抜歯の可能性はずっと小さくなりますし、矯正治療自体が不必要になることもあります。
矯正治療は永久歯の生える前から始めるのが望ましいとも言えます。
小児矯正を行うことで抜歯の可能性を小さくできます
銀座の矯正歯科は銀座並木通り歯科