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歯が痛くなった時、考えなければいけないこと

2024年8月27日


 
歯が痛くなるとすぐにでも歯医者に行きたくなりますが、忙しい日常や休日、旅行中など、すぐに診察を受けられない場合もあります。そうしたときには市販の鎮痛剤を使って痛みを抑えることもあるかもしれません。しかし、歯の痛みが何日も続くと、単なる鎮痛剤で抑えるだけでは不安になることもあります。では、歯の痛みの原因とは何でしょうか?痛みの根本原因を理解することが、適切な対処につながります。
 
歯の痛みの主な原因
 
歯の痛みにはいくつかの主要な原因がありますが、特に重要な3つの原因についてご紹介します。それが、「プル(Pul)」「ペル(Per)」「P急発」です。それぞれの痛みは異なる原因によって引き起こされるため、治療法も異なります。
 
1. プル(Pul):虫歯による歯髄炎
 
「プル」とは、歯髄炎(しずいえん)のことを指します。これは虫歯が進行して歯の内部にある神経や血管が詰まった「歯髄」にまで達した場合に発生します。歯髄が炎症を起こすと、冷たい飲み物や空気に触れたときに一時的な痛みを感じることがありますが、進行するとズキズキとした持続的な痛みに発展することが多いです。この状態になると、神経を取る「抜髄(ばつずい)」が必要になることがあります。
 
初期の虫歯であれば、フッ素を塗布して進行を抑えたり、再石灰化によって治療できることもありますが、痛みが出てくるようになると、エナメル質の内側にある象牙質に虫歯が達していることが多く、早急な治療が必要です。虫歯が進行しすぎると、神経を保存することが難しくなり、最終的には抜髄が必要になります。
 

 


 
2. ペル(Per):根尖性歯周炎
 
「ペル」は、抜髄後の歯の根が炎症を起こすことで発生する痛みです。抜髄をした歯は神経が取り除かれているため、通常は痛みを感じることはありません。しかし、根管内の殺菌や薬の充填が不十分な場合、細菌が繁殖して歯の根が再び炎症を起こすことがあります。この状態は「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」と呼ばれ、根管の再治療が必要です。
 
根尖性歯周炎は、根管を十分に消毒し、薬をしっかりと充填することで治療されますが、再発することもあります。そのため、治療時には唾液や細菌の侵入を防ぐために「ラバーダム」というゴムの皮膜を使って歯を覆うことが推奨されます。もし再発を繰り返す場合、最終的には抜歯が必要になることもあります。
 
3. P急発:歯周病による炎症
 
「P急発」は、歯周病が急激に進行して歯茎が炎症を起こし、痛みを引き起こす状態です。これは歯そのものの痛みではなく、歯周組織の問題によるものです。P急発は一時的に鎮痛剤で痛みを抑えることができますが、根本的に治るわけではありません。歯周病の進行を止めるためには、歯石の除去や口腔内ケアを徹底する必要があります。
 
歯周病が進行すると、歯茎や骨がダメージを受け、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。したがって、P急発の痛みが一時的に収まったとしても、歯周病自体を改善するために歯科医による継続的な治療が必要です。
 

 
その他の歯の痛みの原因
 
歯の痛みには、知覚過敏や歯ぎしり、食いしばりなどが原因となる場合もあります。知覚過敏は、歯の象牙質が露出することで、冷たいものや熱いものに触れると痛みを感じやすくなる状態です。通常、象牙質はエナメル質に覆われているため痛みを感じることはありませんが、虫歯や歯茎の後退などで露出すると、痛みを引き起こすことがあります。
 
また、歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯茎に過度の力を加えるため、痛みを引き起こすことがあります。これらの問題も無視せず、早めに対処することが重要です。
 
歯の痛みが続く場合の対処法
 
歯の痛みが続く場合、鎮痛剤で一時的に痛みを抑えることができますが、根本的な問題を解決するには必ず歯科医の診察を受ける必要があります。虫歯や歯周病は放置すると進行し、治療がより複雑で時間がかかるものになります。定期的な歯科検診を受けることで、痛みが出る前に問題を発見し、早期に治療を行うことが最善の対策です。
 
また、歯の痛みが出る原因を理解することで、適切な対応がしやすくなります。痛みの原因によって治療法が異なるため、自己判断で放置せず、早めに専門医の診察を受けることをお勧めします。
 
まとめ
 
歯の痛みには、虫歯による歯髄炎(プル)、抜髄後の根の炎症(ペル)、歯周病の急激な進行(P急発)など、さまざまな原因があります。痛みを一時的に鎮痛剤で抑えることはできますが、根本的な解決には歯科医の診療が必要です。定期的な検診と早めの治療を心がけることで、歯の健康を維持し、痛みから解放される生活を送ることができます。
 

歯茎に出来た白い点それはフィステルかもしれません

2024年8月17日


 
フィステルとは、歯茎にできる小さな白い膨らみで、見た目はニキビに似ており、一般的には痛みが少ないため、気づかないことも多いですが、歯の健康に関する深刻な問題の兆候です。フィステルができる原因は、主に歯の根の先に膿が溜まって外に出ようとしているためで、炎症が進行していることを示しています。この膿がたまる原因として、虫歯や打撲、歯周病などがありますが、最も多いのは虫歯治療後に歯の神経が死んでしまったケースです。
 
フィステルができたからといって、自然に治るわけではありません。一時的に膿が外に出て痛みが和らぐことがあっても、炎症が治まったわけではなく、放置すると再び膿がたまり、炎症を繰り返すことになります。さらに、膿が出ていること自体が口臭の原因になる場合もあります。特に、歯根嚢胞(歯の根にできる袋状のもの)が形成されていることが考えられ、この嚢胞が大きくなると、周りの歯や骨にまで影響を及ぼし、最悪の場合、抜歯が必要になることもあります。
 

 
フィステルの治療は、まず根管治療を行い、歯の内部に残っている細菌や膿を徹底的に取り除くことが必要です。しかし、根管が曲がっている場合や治療が難しい場合には、歯根端切除術という手術が必要になることもあります。この治療法は、歯根の先端部分を切開して膿を取り除き、再感染を防ぐ処置です。高度な技術を要するため、専門の歯科医師や口腔外科医が対応することが多くなります。
 
フィステルができる原因にはいくつかのパターンがあります。まず、虫歯が進行して神経が死んでしまった場合です。虫歯を放置していると、痛みがなくなることがありますが、これは虫歯が治ったわけではなく、むしろ神経が死んで痛みを感じなくなった状態です。こうした歯は内部で細菌が繁殖しやすく、根の先に膿がたまりやすくなります。
 
また、歯根破折(歯の根が割れたり折れたりすること)もフィステルの原因となります。歯ぎしりや食いしばり、外傷などによって歯に過度な力がかかると、歯根が割れることがあります。この場合、割れた部分から細菌が侵入し、フィステルが形成されることがあります。特に神経を取った歯は脆くなりやすいため、歯根破折を起こしやすく、放置すると抜歯が必要になるケースが多いです。
 
さらに、一度根の治療を行った歯でも、再感染することがあります。治療が不完全だったり、途中で通院をやめてしまったりすると、根の中に細菌が残り、それが増殖してフィステルを引き起こします。根管治療は非常に繊細な治療であり、期間も長くかかるため、途中で治療を中断しないように注意が必要です。
 
歯周病もフィステルの原因となります。歯周病が進行すると歯周ポケットから膿が出てきますが、ポケットが深かったり、入り口が閉じてしまうと、フィステルができることがあります。歯周病によるフィステルは、骨や神経に直接的な問題がなくても、周囲の組織に悪影響を及ぼすため、適切な治療が必要です。
 
フィステルができた場合、それは口の中で何かしらの炎症が進行している証拠です。痛みがないからといって放置することは危険であり、症状は時間とともに悪化する可能性があります。フィステルの発見が遅れると、治療期間や費用が増えるため、早期の診断と治療が重要です。毎日の歯磨きの際に口内のチェックを行い、異常を感じたら早めに歯科医院で診てもらうことをおすすめします。
 
まとめると、フィステルは一見無害に見えることが多いですが、歯や歯茎の内部で深刻な問題が進行しているサインです。痛みがなくても、適切な処置を受けなければ、炎症や感染が悪化し、最終的には抜歯が必要になることもあります。フィステルができたら、自己判断せず、早めに専門医に相談することが大切です。
 

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