食いしばりで歯周病が悪化しているかもしません
2022年9月20日
食いしばりや歯ぎしりは歯周病を悪化させる大きな原因になります
歯周病の恐ろしさは広く認識されるようになってきました。
歯周病は日本人が歯を失う最大の原因であるだけでなく、最近では成人病との関係も指摘されています。
中でも糖尿病は歯周病の合併症とまで言われています。(そのため、歯周病はいわゆる「サイレントキラー」とも呼ばれています)
そして、実は歯周病は食いしばりや歯ぎしりとも密接な関係があるのです。
今回は歯周病を悪化させる要因にもなるく縛りや歯ぎしりの危険性について解説していきましょう。
予防をしていても完全に防ぐことが難しい歯周病
歯周病の予防の第一は口腔内ケアであることは言うまでもありません。
「歯磨き指導を受けて正しい歯磨きを励行する」「三カ月に一度歯科医院で歯石を除去する」といった口腔ケアに心がけることで、歯周病のリスクは大幅に減らすことは可能です。
また、歯周病は虫歯と同様に口腔内の細菌が引き起こす一種の感染症です。
細菌の巣となるプラークを除去したり、プラークを付きやすくする歯石を定期的に取ったりすることで、歯周病から歯茎を守ることができます。
定期的な歯石除去は歯周病予防の基本
しかし、これらの歯周病予防を心がけても、歯周病を完全に防ぐことは容易ではありません。
歯周病菌はほとんどすべての人が口腔内に持っているので、完全に除菌することはできないのです。
そして、歯周病を極端に悪化させる危険性があるのが、食いしばりや歯ぎしりです。
食い縛りや歯ぎしりが歯周病を悪化させる理由と対処法
食べ物の咀嚼のために歯と歯を嚙み合わせる時間は一日に20分程度と、一般的に言われています。
これに対し、食いしばりや歯ぎしりは一晩中続くこともあります。
食いしばりは長時間、しかも強い力で歯と歯を噛むため、歯茎に対する影響は非常に大きいです。
そのため、歯周病を罹患している人に食いしばりがあると、歯周病で一番深刻な歯を支える骨(歯槽骨)の吸収が急速に進みます。
歯は土台となる歯槽骨を失うことで動揺し、最後には抜歯せざるを得なくなる危険性が高まってしまうのです。
また、就寝中でなく日常的に歯と歯を接触させる「TCH」と呼ばれる症状を持つ人もいます。
TCHがやっかいなのは、就寝中ではないため歯ぎしりや食いしばりの対症療法として有効なナイトガード(マウスピース)を日中装着することが難しい点です。
マウスピースが有効な場合もありますが、マウスピースも基本的には対症療法です。
マウスピースで歯ぎしりや食いしばりの影響を緩和しても、歯をこすり合わせたり、強く噛んだりする症状が完全になくなるわけではありません。
マウスピースは歯ぎしりの対症療法としては有効ですが、TCHには効果が上がりにくいです
しかし、その解決策として登場したのが、ボツリヌス菌製剤です。
ボツリヌス菌製剤は歯を強く噛み合わせることそのものを抑制できるので、マウスピースがなくても歯茎へのダメージを小さくできます。
ボツリヌストキシン製剤歯皺は不必要な噛み合わせそのものを止めさせる
歯周病リスクのために食いしばりや歯ぎしりの治療は早めに始めましょう
歯周病の治療は簡単ではありません。
日常的そして持続的な口腔ケアが何より大切です。
しかし、食いしばりや歯ぎしりが歯周病によって生じる歯槽骨の吸収を高めることを考えると、口腔ケアだけでは不十分と言って過言ではありません。
食いしばりや歯ぎしりの悪影響を認識し、適切な対処をする必要があります。
日頃からく縛りや歯ぎしりの症状に悩んでいる方は、ぜひこの点を気に留め、専門医に相談することをおすすめします。
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