世界にある100以上のメーカー:インプラントは皆同じではありません
2021年5月28日
インプラントには数多くの器具も必要
インプラントはチタンネジの他にアバットメントという連結部を介して人工歯を取り付けられています。そして、そのための器具はインプラントメーカーごとに異なります。
インプラントを構成するは基本的なチタンネジ、アバットメント、人工歯という3つのパーツも、インプラントメーカーによって、人工歯根の直径や高さ、材質は違っています。また、チタンネジの表面性状はチタンネジが骨と一体化するオッセオインテグレーションという非常に重要な機能を作用し各メーカーは研究と工夫を重ねています。
当院で採用されている「ノーベルバイオケア社」のインプラントシステムは、世界で最初に開発され、安全性や治療効果で高い評価と実績を得ています。ノーベルバイオケアは世界で最もメジャーなインプラントシステムの1つです。
メーカーの提供するインプラントシステムには、CTのデータを元に、精密なシミュレーションを行うことで安全・確実なインプラントオペが可能にするソフトウェアシステムも含まれます。その結果を基に設計される「サージカルガイド」と呼ばれる装置は、埋入位置や角度、深さまで誘導されることから、手術に伴う偶発症のリスクを大幅に小さくします。
実は、世界には100種類以上のインプラントメーカーが存在していると言われています。各メーカーのインプラントシステムは材質や形状が違うだけでなく、インプラント施術に使う器具には一般的に互換性歯なく、メーカーが異なれば使用する危惧も違ってきます。また、支援ソフトウェアの充実度も大きな差があります。
インプラントは「人工臓器」の一種としてとらえられることがあるくらい、体にとって重要なものです。それだけに、インプラントシステムの選択は慎重に行うことが必要です。
ノーベルバイオケア社のシステムによるインプラントのシミュレーション
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インプラント手術ナビゲーションシステム『X-Guide®』を導入
2021年5月16日
当院では、手術の正確性や安全性のさらなる向上、患者さんの負担をできるだけ軽減するインプラント治療を目指し、インプラント手術ナビゲーションシステム『X-Guide®』を導入しました。
💡リアルタイムでのナビゲーションにより、立案した治療計画通りにインプラントを埋め込むことができ精度の高い手術を可能に
💡 粘膜の下、骨の中の状態まで立体的に確認しながら手術を進めることができるので、大事な神経や血管を傷つけることなく手術が可能
また、手術後ゆっくりお休みしてからご帰宅していただけるスペースもご用意しております👨🏻⚕️✨
皆様に安心して治療して頂けるよう、スタッフ一同お待ちしております✨
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インプラントの治療期間を大幅に縮める即時埋入と即時荷重
2021年5月11日
失った歯を補完するにはインプラントを装着する以外に入れ歯、ブリッジがありますが、咀嚼力や耐久性、装着感などインプラントは多くの面でもっとも優れています。ただ、インプラントは埋入したチタンネジが骨にしっかりと固着するオッセオインテグレーションというプロセスが必要です。
抜歯後すぐにインプラントを埋入するには適応性が重要
しっかりとしたオッセオインテグレーションを得るためには2−3ヶ月の期間がかかります。さらに、抜歯を行った時に、チタンネジを埋め込むのは2ヶ月程度は待つべきだというのが従来の考え方でした。インプラント治療の難点の一つは治療期間の長さがあります。
即時埋入(即日インプラントとも言います)とは何らかの理由で抜歯を行った時に、すぐにチタンネジを埋入する治療法です。抜歯とインプラント埋入の期間がなくなるので治療期間は当然短縮されますし、治療回数も減ることになります。
その上、抜歯後に起こる骨吸収を避けることができるために、インプラント埋入でしばしば必要となるGBR(骨造成の)の必要性も小さくなります。
良いことずくめのようですが、即時埋入がいつでも可能というわけではありません。まず、インプラントの埋入が抜歯後すぐに行われるため、抜歯した部分の外科的な回復を考慮に入れたインプラント体(チタンネジ)の埋入が必要です。
さらに感染症のリスクコントロール、抜歯した部位の処置もより慎重に行う必要があります。これらを行うためには抜歯個所が即時埋入に適応していることと高度な治療技術が要求されます。
抜歯後すぐにインプラント体を埋入する即時埋入と似た言葉に即時荷重があります。即時荷重とはインプラント体を装着してすぐに当日から仮歯で咀嚼できるようにする治療法です。即時荷重でない場合はインプラント体埋入後カ月を置いて上部構造(人工歯)を取り付けて咀嚼が可能になります。
即時荷重も即時埋入と同様に咀嚼の負荷を早くかけることにで回復期間を短縮させる効果を得ることができます。しかし、即時荷重も即時埋入と同じようにいくつかの条件を満たす必要があります。
まず重要なのは口腔内ケアがよく行われていることです。さらにインプラント体を埋め込む顎骨の密度が高くなくてはいけません。また、治療技術も即時埋入がそうであったように高いレベルが要求されます。
即時埋入も即時荷重も実際的なインプラント施術のオプションとなったのは最近です。数多くの成功例がすでに報告されていますが、インプラント全体に占める施術割合は高くはありません。また、繰り返しになりますが治療技術の高さ、適用条件は一般のインプラントより厳しくなります。
しかし、治療期間の長さはインプラントの弱点の一つです。日々進歩するインプラント治療の中で、即時埋入、即時荷重の重要性は高まってきています。
オッセオインテグレーションとは
オッセオインテグレーションはインプラント治療を開発したスウェーデンのブローネンマルクが1950年代に兎を使った実験で発見し、それを応用したインプラント治療を1960年代に確立しました。
インプラント施術で埋め込まれたチタンネジは組織が回復することでしっかりと骨に固定されるのは実はかなり複雑な過程です。骨とチタンネジの間は電子顕微鏡レベルで拡大するとコラーゲンの軟組織が形成されています。さらにチタンネジの表面と骨組織との間には何層かの化学的な結合があります。
インプラント施術でチタンネジを埋入した後、オッセオインテグレーションがしっかりとネジを固定するまで時間が必要です。また、オッセオインテグレーションがうまく形成されないとチタンネジが固定されずネジが脱落してしまうことがあります。この場合はインプラントは失敗になってしまいます。
オッセオインテグレーションでチタンネジと骨が分子レベルで固着する
インプラントの成功率を高めるためには様々な事に配慮する必要がありますが、チタンネジの表面を電子顕微鏡レベルでどのような状態にすればよいかはオッセオインテグレーションの成否を決める上で非常に重要です。
世界には100社とも言われるインプラント製造メーカーがありますが、チタンネジがオッセオインテグレーションに適しているかどうかはチタンネジの品質を左右します。そしてそこには電子顕微鏡レベルの材料技術の違いが関係しています。
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インプラントの中身はどうなっているか
2021年5月1日
インプラントはインプラント体(歯根部)、アバットメント(支台部)、人工歯(上部構造)の3つの部分に分かれる
インプラントは抜歯で歯を失った時に、人工の歯のを埋め込む治療です。歯は歯根といって根の部分が歯槽骨と呼ばれる土台の骨に埋まって歯を支えています。インプラントは人工の歯根をインプラント体あるいはフィクスチャーと呼ばれるもので代用します。インプラント体は種々の材質がありますが、現在はチタンおよびチタン合金が主流です。
チタンが人工歯根なる下部構造の材料に使われるのは、チタンが金属アレルギーを非常に起こしにくいということと、オッセオインテグレーションと言って骨組織と顕微鏡レベルで一体化する優れた性質を持っているかです。
インプラント体と人工歯をつなぐ支台部はアバットメントと呼ばれます。アバットメントも多くはチタンですがジルコニアという人工ダイヤモンドの材料にもなる非常に硬い材質のものも使われます。ジルコニアアバットメントは金属色ではなく白いので、歯茎が下がってアバットメントが露出しても目立ちにくいという利点があります。
人工歯の部分は一般の天然歯の上に被せる被せ物(クラウン)と基本的に同様にセラミックを主として用います。ただ、一般のセラミッククラウンが型取りをしたものに合わせて作られるのに対し、アバットメントに装着されるインプラントの部品の一つとなります。
インプラントはこのようにいくつかの部分にわかれていて、数百社もあると言われるインプラント部材のメーカー同士の互換性はありません。また、生体との親和性、特に骨組織との一体化(オッセオインテグレーション)が順調に行われるための部材の材質と表面加工などに十分に信頼のおけるメーカーのものの使用が望まれます。
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