セラミック矯正・審美矯正を検討されている方へ
2026年02月16日

知っておいてほしい大切な考慮点
近年、「セラミック矯正」「審美矯正」と呼ばれる治療が、美容クリニック系の歯科医院を中心に広く行われるようになっています。
短期間で歯並びが整ったように見え、見た目の改善を重視する方にとって魅力的に映る治療法であることは事実です。一方で、すべての方に適した治療とは限らないこと、そして事前に理解しておくべき重要な考慮点があることも、あまり知られていません。この記事では、セラミック矯正・審美矯正を検討されている方に向けて、歯科医療の立場から冷静に解説します。
セラミック矯正・審美矯正とは
一般に「セラミック矯正」「審美矯正」と呼ばれる治療は、歯を削り、セラミックの被せ物(クラウン・ラミネートベニア等)を装着することで、見た目上の歯並び・歯の形・色を整える
という治療です。歯を動かす矯正治療とは異なり、歯そのものを削って形を変える点が最大の特徴です。
問題になりやすいのは「歯並びが大きく乱れているケース」
セラミック矯正が問題になりやすいのは、特に以下のようなケースです。
・歯並びのズレが大きい
・歯の傾き・捻転が強い
・噛み合わせに問題がある
このような場合、見た目を揃えるために
・削る量が多くなる
・神経(歯髄)を取る必要が生じる
・歯の寿命が短くなる
といったリスクが高まります。
抜髄(神経を取る)ことで起こり得る影響
歯の神経を取る治療(抜髄)は、必要な場合には適切な治療ですが、避けられるなら避けたい処置でもあります。抜髄後の歯は、
・歯がもろくなる
・将来的に割れやすくなる・
・再治療が必要になるリスクが高まる
といった特徴があります。セラミック矯正を目的として抜髄を行う場合、長期的な歯の健康とのバランスを慎重に考える必要があります。
虫歯・歯周病リスクが高まることも
削る量が多い治療では、
・被せ物の適合精度
・マージン(境目)の管理
・清掃性
が非常に重要になります。条件が揃わない場合、
・二次虫歯
・歯肉の炎症
・歯周病の進行
といった問題が生じやすくなります。「見た目がきれいになったのに、数年後にトラブルが起きた」というケースは、残念ながら珍しくありません。
歯並びを本当に治すなら、第一選択は矯正治療
歯並びそのものに問題がある場合、時間がかかっても、歯を削らずに歯を動かす矯正治療が第一選択肢であるべきケースは少なくありません。矯正治療には、
・歯の寿命を守れる
・噛み合わせを改善できる
・将来的なトラブルを減らせる
という大きな利点があります。もちろん、すべての方が矯正治療を選ぶ必要はありません。年齢・期間・費用・ご希望によって、セラミック治療が適している場合もあります。大切なのは、十分な説明を受けた上で、選択肢を比較することです。
セラミック矯正・審美矯正を選ぶ前に確認してほしいこと
検討される際には、以下の点を必ず確認してください。
・どれくらい歯を削るのか
・神経を取る可能性はあるのか
・将来的な再治療のリスク
・矯正治療との比較説明を受けたか
「早くきれいにする」ことと「長く健康に使う」ことは、必ずしも一致しません。
銀座並木通り歯科の考え方
当院では、
・歯をできるだけ削らない
・歯の寿命を重視する
・見た目と機能の両立
を治療方針の軸としています。セラミック治療が適しているケースもあれば、矯正治療をおすすめするケースもあります。一人ひとりの歯の状態を診断し、メリットだけでなくリスクも含めてご説明した上で治療方法をご提案しています。
まとめ:知った上で選ぶことが、後悔しない治療につながります
セラミック矯正・審美矯正は、決して「悪い治療」ではありません。
しかし、適応を誤ると取り返しのつかない結果になることもある治療です。
大切なのは、
・短期的な見た目だけで判断しない
・長期的な歯の健康を考える
・複数の選択肢を理解する
こと。この記事が、治療を検討されている方にとって、冷静な判断材料の一つになれば幸いです。
(藤吉先生記)










